教育PRO 平成30年2月27日
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28教育PRO(第3種郵便物承認)平成30年2月27日ことは特筆すべきことですね。何が評価されたと考えますか?吉田 この調査は、全上場企業と一部有力未上場企業の人事担当者を対象に、過去2年間(2015年4月~2017年3月)に採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いたもので、本学は評価基準となる側面項目「行動力(8位)」「対人力(15位)」「知力・学力(12位)」「独創性(16位)」のすべてで20位以内の評価となりました。 また、同時に調査された、大学の取り組みを評価する部門でも複数の項目でトップ10にランキングされ、学生指導に熱心に取り組んでいる(10位)、すぐれた研究を行っている(8位)、施設や立地などの学習環境が整っている(9位)の項目で優れた評価となりました。 先ほどから紹介させていただいた自主的な課外活動や、多様な学生が同じキャンパスでインクルーシブに学んでいるなどの要素が学生たちにそういった力をつけているのではないかと思っています。私はいつも「主体性・多様性・協働性」が大切だとキャッチフレーズのように言っていますが、教育改革面でもアクティブ・ラーニングの充実など積極的に取り組んでいます。「充実した正課教育」と「学生の自主活動」が『車の両輪』となって、たくましい力を身につけてくれているのだと思っています。(聞き手:佐藤安市)などを後援会(在学生保護者の会)で行っておりまして、学生たちが自主的にこういうアイディアで事を始めたい、チャレンジしたいということがあれば、審査を経て支援しています。毎年、10件前後を採択していますが、その中から本格的に起業するアイディアも育っています。例えばこの誌面でも記事に取り上げていただいている安達君の音楽デリバリーの事業は「事起こし事業」に採択され、3年間で50万円の支援を受けています。給付型奨学金も独自に設立しました また、留学で海外に翔び出していこうと志す学生を応援しようと、学長を先頭に取り組んでいます。そのための充実策のひとつとして、「グローバルリーダー育成奨学金」「河村孝夫記念奨学金」などの給付型奨学金も独自に新設しました。 活躍する学生を表彰する「学長顕彰」においてもその対象を拡充して、様々な学生をエンカレッジするようにしています。これまでは大学院生のアカデミックな成果を対象にすることが多かったのですが、学域生たちのボランティア活動も含めて、対象を幅広い分野に広げて学生の活躍を後押ししています。象徴的には先ほどの「フダイバーシティ」や、全国の公立大学生を取りまとめるアクションを府大生が主導した「公立大学学生ネットワーク LINKtopos」なども表彰しています。教育と学生活動は『車の両輪』。身につけた力は外部調査でも高い評価をいただいています――2017年6月の日経「企業の人事担当者から見た大学のイメージ調査」で、大阪府立大学が総合9位にランキングされた【略歴】吉田敦彦(よしだ・あつひこ)京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。学生担当副学長(3年目)、人間社会学研究科長(2年目)、第一学群長(2年目)。地域保健学域 教育福祉学類教授。大好きなことは、杯を片手に人生談義(とくに学生たちとの)。※LGBT:女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、トランスジェンダーの各単語の頭文字を組み合わせた表現。

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