教育PRO 平成30年2月27日
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24教育PRO(第3種郵便物承認)平成30年2月27日セージを発信する」と謳い、活動しています。 また、個別の施策も1つ1つ検討し、進めています。例えば更衣室。自分自身が自認する性、ジェンダー・アイデンティティに基づいて利用できる更衣室をめざし、検討を始めています。それを受け止める側が、正しく受け止めることができるのかということが重要ですので、慎重に、説明会を重ねながら進めています。ガイドラインを絵に描いた餅にしないように、「これが全学的な方針ですよ」と教職員にも丁寧に伝え、理解を得ているところです。ちなみに昨春の大学祭「友好祭」では、「フダイバーシティ」のメンバーが共感する学生たちと共に企画・出展しました。他にも学内外のイベントに様々な協力を行ってメッセージを発信し続けています。全ての学生が一緒に学ぶことができる環境をめざした「アクセスセンター」――「アクセスセンター」についても説明いただけますか。吉田 障がいのある学生に向けて支援をする中心組織として、1年間の準備期間を経て2016年4月から本格的にスタートしました。専門職の精神保健福祉士も配置しています。例えば授業での情報保障として、耳の聞こえない学生に向けてボランティア学生によるノートテイクだけでなく、手話を作ってしまう傾向があります。本学が過去の7学部から4つの「学域」という大きなくくりに改革したのは、学部の垣根を取り払って融合した大学になろうという強い意志があるからです。当事者学生と共に作り上げた「SOGIガイドライン」――先程の「SOGI」の視点は<多様>であり、<融合>でもあると理解できますね。吉田 先ほど紹介したSOGIのガイドラインの正式名称は「大阪府立大学SOGIの多様性と学生生活に関するガイドライン」で、そこでは性指向や性自認を理由とする差別・偏見のない大学をめざすことを宣言しています。大切なことは、それが一部のマイノリティの人だけに関わるものではなく、すべての学生にとって生きやすいキャンパスをつくることになる、つまり全学生・教職員に関わるものであるという視点です。その意味でも1つポイントだと思っているのは、本学にいる当事者の学生たちが作ったサークル「フダイバーシティ」と連携し、当事者でもある学生の声を聴きながらガイドラインの中身を作ってきたことです。 現在そのガイドラインに基づいて活動を推進する「フダイバーシティープロジェクト」がスタートしています。ダイバーシティ(性の多様性)の声やニーズを、大学運営側に届け、協働しながらダイバーシティ施策を推進するプロジェクトです。このプロジェクトのモットーは「学生主体で大学と学生の架け橋に」。キャッチフレーズとして「すべての人々が、性の多様性を『他人事』でなく『自分事』として捉えられる大学をめざし、『性は十人十色』というメッフダイバーシティの学園祭での出展

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