教育PRO 平成30年2月27日
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13教育PRO(第3種郵便物承認)平成30年2月27日形式の科目を設置する」ことを提言しました。学域・学類制を導入することが決まったあと「カリキュラム策定ワーキンググループ」(2010年1月~7月)が設置され、この答申を活かして初年次ゼミナール(以下、初年次ゼミ)の中身を設計しました。具体的には1年次前期の必修科目として、全員が受けることとしました。 全学の教員が担当することで90以上の幅広いテーマでクラスを開講することができ、それを学生が希望を出して選べるようにしました。つまり、大学生活のスタート時に、異なる学域・学類の学生が共に学べるようにすることで、学域の「融合」をめざしていったのです。 本学が初年次ゼミを導入する裏づけとなったのは、1年次前期のGPA※と累積GPAには強い相関関係が見られることが分析により分かったことにあります。そして、初年次での主体的な学習態度の形成が重要であるとの認識ができ、大学での能動的学習への「学びの転換」をめざす科目として、初年次ゼミ導入に踏み切ったのです。初年次ゼミ、継続的な学生調査などで成果が上がる――大阪府立大学ではGPAの分析を早くから行っていたのですか。高橋 他の大学に先駆け、2005年の3大学統合のタイミングでGPAを導入しました。この分析結果は、専門教育を担当する教員にとってはかなりショックだったようです。というのは、1年次前期は英語や情報基礎、教養科目など、専門と直接関係のない科目がほとんどなのにもかかわらず、1年次前期のGPAと3年次後期までのGPAとに強い相関があったからです。 この理由を検討した結果、高校と大学では基本的に学び方が違うことにあることを原因として導き出しました。高校までは科目の時間割が決まって、宿題も先生から言われて出している。いわば受け身の学習ス

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