教育PRO 平成30年2月27日
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12教育PRO(第3種郵便物承認)平成30年2月27日学域・学類制と初年次ゼミナール発足の趣旨と背景について――大阪府立大学は2005年に大阪府立の3大学(大阪府立大学・大阪女子大学・大阪府立看護大学)が統合・法人化し、9学部を7学部に再編した新大学として発足しました。2012年には学部・学科を学域・学類に再編し、現在に至っています。学士課程改革の経緯と背景、教育環境整備の取り組みをお話しください。高橋 本学の学士課程改革が始まった経緯には2008年の中央教育審議会(文部科学省の諮問機関、中教審)の「学士課程教育の構築に向けて」答申がきっかけになりました。この答申を受けて、学内に教育担当理事のもと「カリキュラムデザイン会議」(2008年8月~2009年7月)を設置しました。その会議で、本学の学士課程をどのように改革するのかの議論を本格的に始めました。 学士課程改革の中教審答申が出された背景には、日本の大学で学部・学科制の弊害が指摘されていた状況があります。つまり、学部・学科という縦割りの壁によって学びの幅が狭くなりがちであり、打破すべきだとの提起です。どうしても大学の教員というのは専門を深くやりたいという傾向があり、狭い“たこつぼ化”に陥る傾向があります。本学のように、せっかく総合大学に入ったのに特定の学部・学科に所属することで、人間関係や知識の範囲が限定されてしまい、幅広い学びが失われてしまうことがあるのです。学域・学類という、学部・学科より大括りの教育組織に再編することは、このような背景から決定されました。具体的にはそれまでの7学部28学科から4学域13学類に組織を再編し、入試も基本的には大括りの学類単位で行うこととしました。カリキュラムとしても1年次は学類の中で幅広く学び、2年次から専門の教育課程に配属される経過選択型を導入しました。 その再編に合わせて、本学の学士課程で身につける学修成果目標を定め、それを達成するための教育環境の整備(初年次ゼミナール、学生ポートフォリオの導入等)についての答申を作成したのがカリキュラムデザイン会議です。 カリキュラムデザイン会議答申は、初年次の教育改革として「少人数のゼミナール「“垣根のない大学”をめざした学域・学類改革と教育環境整備を推進」~高橋哲也副学長(教育・入試担当)・教育推進本部長にインタビュー~

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