教育PRO 平成30年2月27日
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8教育PRO(第3種郵便物承認)平成30年2月27日て、科学の楽しみを一緒に感じていけたらいいなと思っています。辻 参加された子どもたちはお二人以上に何かを感じたはずだし、きっと記憶に残るのではないかと思いますよ。清水 保護者の方も前のめりに耳を傾けてくれますし、たくさん質問もしてくれました。思った以上の反響にとてもやりがいを感じています。辻 違う専門や違う視点の人と話すのはとても大切なことであると思っています。先ほど、「世界に翔く地域の信頼拠点」をめざして「多様」「融合」「国際」の3つを大切な視点にしていると話しましたが、この「融合」がいろいろなイノベーションを起こす起爆剤になるのではないかと思っています。 日本の科学研究は地盤沈下しているといわれますが、視点を変えて1つ1つの良い研究を眠らせず、そして組み合わせることがこれからの日本がめざすべき方向のような気がします。皆が自分のところだけ深めていくだけではなく、それを融合していくことを大学の中で進めていくと、新しい価値、イノベーションが生まれてくるのではないかと思います。IRISの活動もそのヒントをくれると思っています。――女性研究者が働きやすい職場環境づくりに大変理解のある辻学長、女性研究者のロールモデルとして先頭を走る経験豊かな真嶋先生、そして理系女子学生がとても元気な大阪府立大学に、これから多くの高校関係者が関心を持つだろうと思います。【略歴】辻 洋(つじ・ひろし)1978年、株式会社日立製作所に勤務。この間、米国・カーネギメロン大学客員研究員。2002年、大阪府立大学大学院工学研究科教授、その後、現代システム科学域長、理事・副学長を経て、2015年から現職。専門は経営情報システム。博士(工学)。海釣りや家庭菜園を楽しむ。【略歴】真嶋由貴惠(まじま・ゆきえ)広島県出身。広島県豊田郡川尻町役場、国立呉病院、神戸市看護大学助手、産業医科大学産業保健学部助教授、大阪府立看護大学看護学部准教授(2005年から大阪府立大学看護学部)。現在、学長特別補佐、ダイバーシティ研究環境研究所長、人間社会システム科学研究科現代システム科学専攻・現代システム科学域知識情報システム学類教授。博士(工学)、看護師、保健師、養護教諭。【IRIS(アイリス)とは】 IRISは2011年、大阪府立大学の女性研究者支援事業の一環として、女性研究者支援センターが研究や科学の楽しさや面白さを伝えたい理系女子大学院生を募集し、学長から任命を受けてスタートした。チーム名は「I’m a Researcher In Science」の文字と、中百舌鳥キャンパスがある堺市の市花「アイリス」にちなんで、第1期生が名付けた。 サイエンスの世界ではまだまだ少ない女性のロールモデルとして、大阪府内各地で小中高生を対象に科学実験教室「IRISサイエンス・キャンパス」を、オープンキャンパスで中高生、受験生を対象に「めざせ!理系女子コーナー 先輩と話そう」を開催している。学生自ら企画、運営するこれらの活動は、IRIS自身のサイエンスコミュニケーションの実践と学びの場となっている。7期目となる今年度は40名が活動中。

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