高度人材センターご案内
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IDec GUIDE産業界がドクター。 化学メーカーである当社にとって基礎技術は非常に重要なものであり、実際の新製品開発においても多くの博士が研究活動の核となって活躍しています。 当社の技術部門の人材採用は、各技術本部の要望を集約した上で計画的に進めておりますが、近年、特に博士人材の採用を従来に比べ増やしてきており、一般公募以外にも様々な取り組みを行っています。大阪府立大学を含め2011年から実施している博士人材のインターンシップの実施もその中の一つで、2012年以降、例年7から10名のインターンを受け入れ、1から2名の入社があります。3か月間、ともに当社の研究テーマに取り組んでもらうことで、お互いに専門性や考え方がわかりますから、入社後のミスマッチが起こりにくいと思います。 博士の採用は、もちろん化学系の方が多いですが、分野を限定しているわけではありません。化学のなかでも、有機化学や高分子化学ばかりではなく、無機化学など当社の事業領域から少し離れた分野の方にも来ていただきたいと考えています。最近も、ある博士が中心となり、まったく新しい印刷材料用のポリマを作る技術を開発し、従来の常識を覆すような非常に安価で使いやすいインキの工業化を進めています。このような革新的な研究へのチャレンジをこれからの博士コースの皆様には期待しています。 グリコグループでは、近年博士コースのインターンシップを受けています。 本教育プログラムに参加することで、ドクターコースの学生さんに、一定期間製品開発のための基礎研究を経験していただき、研究の目的(どのような製品をいつ販売するために研究しているのか)の再考、期日および成果管理の厳密さを体験していただくことで、企業の感性を身に付けていただく事を目指しています。   インターンシップを通してこられた学生さんの何人かは、採用させていただきました。博士人材に期待することは、もちろん専門性の高さはあります。しかしながら、学生の時の専門分野と必ずしも企業に入ってから求められる専門分野と同じとは限りません。むしろ、違った分野で研究を担当するケースも多いと思います。しかし、博士人材には、専門分野で一つ仕事を仕上げたことで、「初めての研究分野でも自分で対策を立てて、進めることができる」「論理的に考えて、ストーリー性を付与して研究を進めることができる」と期待しています。一方、企業の研究目的は、言うまでもなく最短期間で製品化に結びつけることですが、「研究に関してのみ興味が強く、アウトプットをあまり意識していない」「チャレンジを行う際に、無理である理由ばかりを並べる」といったタイプではないか、という心配もあります。そのため、インターンシップを通じて企業の求める研究員像を理解してもらう事は重要だと考えています。また、インターンシップの初めは少し基礎研究にのみ興味があった学生さんがインターンシップを通じて、B to Cの仕事、「お客様のニーズを解決するための製品開発」そして「自分の開発した製品が世に出ることの喜び」を感じ、考え方が大きく変わった学生さんもおられます。 ドクターコースでは専門性を高める事は、言うまでもなく重要です。さらに、本プログラムは、大学と企業が連携し、社会のニーズの変化に気づくためにアンテナを常に張り、それ求るめTakahisa NishimuraTetsuro Agawa元DIC株式会社取締役常務執行役員 技術統括本部長阿河 哲朗国内外グループの技術部門を統括、優れた製品をいち早く市場に投入していくため、総合力を発揮できる技術体制の構築と、優秀な人材の育成に尽力しております。江崎グリコ株式会社研究業務室 マネージャー西村 隆久入社から29年間、基礎研究、製品開発、研究戦略の作成に携わってきました。市場の変化、技術の変化、ちょっとした変化に気づく感度の高い研究者が、今後 益々重要だと思います。を技術で解決するためのアイデアを日々意識する人材を生み出すために、非常に有効だと思います。 今後も本プログラムに積極的に協力していきたいと考えております。03

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