高度人材センターご案内
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 本プログラムのお話を聞いたときに、インターンシップは絶対に海外だと思いました。世界で活躍できる人材になるために、国内でしっかりと実績を積むことはもちろん大切ですが、まず海外を知って、打ちのめされることからスタートするというのも良い経験になるのではないかと考えていたからです。 実際に、インターンシップではイギリスの製薬会社に行かせていただき、自分の分野と全く異なる研究を一から教えていただきました。日本語でも理解が難しい苦手な分野を英語で勉強することは、想像以上に大変でした。また、周りがどんどん意見を言う中、うまく思ったことを伝えられない辛さを痛感しました。だからこそ、スポンジのように、全てを吸収しようと必死になることができたと思います。 そんな中で分かったことは、専門的知識や技術はもちろん大切ですが、研究で一番大切なのは、柔軟な物事の考え方だということです。専門分野の人々だけが集まって研究を進めることは珍しく、いつも様々な分野の人が集まって意見を出し合い、プロジェクトを進めていました。様々な意見が出ることは、日本では一見効率が悪いことのように感じられることもありますが、多様な意見により多角的な視点をもつことができ、当たり前だと思っていたことが、実は改善できる要素を含んでいたり、全く異なる展開に発展したりすることがありました。こうすればもっと面白くなるだろう、もっと効率よくなるだろう、という様に広い視野で考えられることは、企業で活躍するために、何よりも必要なことであると感じました。それは、博士課程を通して、特定の分野を自分が納得いくまで突き詰めたからこそ、見えてきたことでもあります。 現在、また別の分野の研究をしていますが、研究への姿勢はいつも同じです。後輩の皆さんも、博士号とは決して道を狭めるものではなく、可能性を広げるものだと信じ、突き進んでください。2012年エボテック(イギリス)にてインターンシップ研修。インターンシップの経験から海外企業での活躍を強く希望し、外資系企業に入社。海外を知って、打ちのめされることからスタート 私は化学品等の製造機器やプラントの設計・製造を行うエム・テクニックの研究開発グループで3ヶ月間のインターンシップに参加しました。開発テーマは、エム・テクニックが独自に開発したマイクロリアクター ULREA (アルリア)を使用して化学反応を行うというものでした。大学の研究室でフラスコを使用して行っていた化学反応を全く異なる装置で実施するという経験は、新しい発見が多く、非常に刺激的でした。加えて、実験計画の立案において検討項目や反応の評価方法をエム・テクニックの方々と議論を重ねて決定していくプロセスは、大学の研究室で半ば習慣化していた研究スタイルを見直すことができ、非常に有意義な経験になりました。 研修中に最も強く感じたことは、時間に対する感覚の違いでした。企業での研究は個々の開発テーマにそれぞれ期限が存在し、何時までに目標を達成するのかという圧倒的なスピード感が存在します。また、複数の開発テーマが同時並行で進行し、テーマの進行度合いに応じて関わるメンバーが流動的に変化するため、密接にコミュニケーションを図りながら実験を進めていくことが重要なことだと思いました。 私にとってこのインターンシップは非常に価値ある機会となりました。インターンシップを受ける前は、未知の分野や企業で研究開発を行うことに対する不安もありましたが、この体験を通じて、自分の将来像をより具体的にイメージできるようになりました。今、将来に対する不安や迷いがある方は、新しい分野に挑戦することを恐れず、積極的にこのプログラムに参加してほしいと思います。新しい分野に挑戦することを恐れず、積極的にこのプログラムに参加してほしい株式会社ユー・メディコ副社長福原 彩乃2012年エム・テクニックにてインターンシップ研修。取り組み姿勢等の真面目さが高評価され同社への入社が決定。エム・テクニック株式会社研究開発グループ竹田 一貴12

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