高度人材センターご案内
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IDec GUIDE 博士後期過程2年の夏から半年間、ベルギーのimecにインターンシップをさせていただきました。目的は、自分の力が企業で通用するのか、役に立てるのか、力不足ならば何が足りないのかを体感するためです。imecへの派遣を依頼した理由は、研究内容と、様々な国の研究者・技術者が在籍していることに魅力を感じたためです。インターンシップで最も良かったことは、自分に自信がついたことです。 imecは若手研究者や新しい装置の出入りが激しいため、新鮮で刺激的です。その中で、いかに自分の存在価値を示すか、役に立てるかを常に考えていました。参加させていただいた研究テーマでは、装置も試料も無い状態から始まりましたので、1ヶ月以上も何も結果が出せず、この状況にかなり焦りました。研究課題を解決するために必要なものが揃うまで、でき得る限りの準備をしようと努力しました。しかしながら、自分の知っている範囲でやろうとしたため、手詰まりになりました。このとき私を救ってくれたのは直属の先輩です。私と先輩は毎日、組織、先輩、および私の持っている技術の話をしました。その会話や、試行錯誤を経て、新しい評価装置を立ち上げることができました。初めてデータを出して保存したときは本当に嬉しかったです。「組織が持っているノウハウ・技術を把握し、それと自分の考えを混ぜていけば新しいものができた」、「装置の開発を通して、組織の中のある分野の専門家として認めてもらえた」。この経験が自信につながりました。 博士課程の期間で自分が信じられる力をつけられると思います。その力は十人十色でなんでもいいと思います。インターンシップは、その力を試す重要な機会を与えてくれます。2011年IMEC(ベルギー)にてインターンシップ研修。インターンシップを通じ国際的人脈を形成。グローバル企業で活躍できる自信を獲得。自分を試すためのインターンシップ株式会社リコー リコー未来技術研究所先端デバイス研究センター第3研究室氏本 勝也 本学では、博士人材が産業界で活躍するために必要となる、知識や素養を身につけることを目的とした、4つのイノベーション創出型研究者養成(ビジネス企画特別演習・産学連携特別演習・企業研究(インターンシップ)特別演習・研究リーダー養成特別演習)が開設されています。私は企業で十分活躍できるという自信をつかむことを最大の目標として、これら4つのプログラムに参加いたしました。それらを通じて、学び感じたことを書きたいと思います。 企業研究(インターンシップ)特別演習ではクミアイ化学の安全性評価研究室へのインターンシップに参加させていただきました。まず企業の研究は、ゴール(商品)を社員に明確に提示しており、社員はゴールにいち早く辿り着くために必要な仕事を見極め、優先的に行っていました。その判断の速さに驚きました。また企業では、時間の正確さを重視しているところが、大学との大きな違いだと感じました。限られた業務時間内に、試験計画を組み込み、実施し、報告書を書くという作業を行う重要性と厳しさを知り、よりよい商品を社会に出すためには、タイムマネジメントが必要であると学びました。 研究リーダー養成特別演習では新田ゼラチン株式会社から提示されたテーマを解決するためチームを組んで挑み、自分の研究結果を商品開発へつなげるためにしなければならないことを、一貫して学びました。また当初、リーダーは無理にでも自分の考えを貫き引っ張っていく、強引さが必要であると考えていましたが、チーム員の個性・能力を活かす場を提供することで、相乗効果を生み出し、短い期間で成果を出すことができました。 インターンシップ先であるクミアイ化学工業株式会社への内定が決まり、博士号取得者として社会で活躍できる機会を得ました。本プログラムで学んだことは、博士論文研究だけでは得られ難いものだと感じています。この経験を活かし、イノベーションを創出できる人材になるよう努めたいと思います。博士後期課程の皆様、博士論文を作成することとの両立は難しいと思いますが、是非、積極的に人材育成プログラム受講してみてください。2011年クミアイ化学にてインターンシップ研修。インターンシップ時の評価が高く、入社決定。タイムマネジメントの重要性を学ぶクミアイ化学工業株式会社小川 真弘11

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