大阪府立大学 環境報告書デジタルパンフレット
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Q. 横山先生は、2020年度に大阪で開催される大きな国際会議で議⾧を務められる予定であったと伺っていますが、どのような会議だったのですか。 ECOS (イーコス)2020というエネルギーシステムに関する国際会議です。エネルギーシステムの効率 ・性能(Efficiency)、コスト(Cost)、最適化(Optimization)、シミュレーション(Simulation)、環境負荷(Environmental Impact)を対象としており、それらの頭文字を並べて会議の名称 ʻECOSʼ となっています。 この会議はヨーロッパを中心に毎年開かれており、2020年度は33回目、日本では2回目の開催予定でしたが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で世界各国から研究者が集まる会議は中止となりました。しかし、準備は数年前から行っていましたので、その会議で発表される予定だった研究者の論文は、論文集(プロシーディングス)として出版されました。 Q. 横山先生は環境報告書のサポート教員もされていますが、これまで学内ではどのような環境対策に取り組んでこられましたか。 約10年前、学内のエネルギー及び環境に関するプロジェクトが実施されました。そのプロジェクトの一環として、数年間に亘り中百舌鳥キャンパスのB3棟の1階~3階における教室、会議室及び事務室の空調状態を計測しました。この計測では、空調機の夏季・冬季における設定温度の頻度分布を調べました。図2-3は、2010~2013年度の冬季の空調機設定温度の頻度分布を示しています。このグラフからわかるように2011年度は、東日本大震災の影響で省エネが注目されていたため、本学でも各部屋の設定温度は19℃が多く省エネ傾向が見られました。しかしそれは一時的で、翌2012年度には元の設定温度帯に戻っていました。 消費者が最終的にエネルギーを使用する量のことを最終エネルギー消費量といいます。その消費量の削減がエネルギーの節約にとても重要になりますが、前 述の計測結果が示しているとおり、削減には強い省エ ネ意識が必要となり、私たち消費者が取り組むべき大きな課題の1つだと考えます。 Q. 今後社会に出る府大生に向けたメッセージをお願いします。 社会に出るとさまざまな問題に対応していく必要があり、一つの知識だけでなく、幅広い知識が要求されます。そのため、自分の専門科目以外にもさまざまなことに素朴な疑問を抱き、幅広い知識を積極的に学ぶことで、総合力を身に付けていってほしいです。 また、社会に出てからの問題は、答えが定かでないものが多いです。そのため、自ら考えて結論を出し、さらにそれが正しいか、あるいは最良かを最終的に判断する必要があります。卒業論文や大学院における研究を通して自分で考える経験を積み重ね、複雑な問題に対処できる判断力も習得してほしいと思います。 ーーイインンタタビビュューーをを終終ええててーー 近年、エネルギー削減や省エネが注目されている中で、一人ひとりの最終エネルギー消費量の削減が大きなエネルギー節約になるという話が印象的でした。エネルギー削減に向けて私たちは何ができるか、考えていきたいと思います。また、横山先生のメッセージに沿って、これからさまざまな知識に触れ経験を重ねて、困難な問題に対応していく「総合力、判断力」を身に付けられるよう、努力していきます。 ECOS2020の パンフレット(抜粋) 図2-3 冬季における空調機設定温度の頻度分布 担当:藤田 直己、丸井 恵理加 (E~きゃんぱすの会) 17大阪府立大学環境報告書

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