大阪府立大学 環境報告書デジタルパンフレット
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工学研究科においてエネルギーシステムを中心に研究され、学内の横断的組織である「環境教育研究センター」にも所属されている横山良平先生に、主な研究内容や環境活動について、オンラインでお話を伺いました。 Q. 横山先生の主な研究テーマについて教えてください。 私は機械工学の中でエネルギーシステム工学という名称を看板にした研究をしています。その中でも、建物や地域、家庭等における小型の分散型エネルギーシステムを主な研究対象にしています。 システムとはさまざまな要素が集まったもののことであり、それら全体で何か一つの目的や機能を持っています。多くの研究者は、システムを構成する要素の特性について研究されていますが、私は、要素の特性は分かっているものとして、それらが集まったシステムの特性を研究しています。具体的には、最適なエネルギーシステムを設計し、合理的に運用 ・制御するための研究を行っています(図2-1参照)。 Q. 環境の観点からどのようなエネルギーシステムの研究をされていますか。 効率が高く環境にも配慮した技術として、コ-ジェネレーションシステムの研究を行ってきました。コ-(co)は「一緒の、共同の」、ジェネレーション(generation)は 「発生」という意味があります。このシステムでは、図2-2に示すとおり、ガスエンジンを動かして発電し電気エネルギーを供給するとともに、エンジンからの排ガスの熱を利用して温水や蒸気を作り熱エネルギーとして供給することができます。 大規模な発電所では、都市に供給する電気を作る際に大量の熱も発生しますが、都市から離れていて運搬中に冷めてしまうため、熱エネルギーを都市に供給することはできません。しかし、建物や地域、家庭等において分散型の発電システムを導入すると、発電に伴う熱エネルギーも冷めないうちに有効活用することができ、エネルギーの削減に繋がります。 また、CO2ヒートポンプ給湯システムについて、実用化の初期の頃から研究してきました。ヒートポンプは、従来より家庭用のエアコンでも用いられており、外気の熱エネルギーを利用することによって電力の消費量を抑えながら冷暖房することができます。給湯システムはこの原理を利用して、少ない電力でお湯を供給するもので、環境にやさしい技術と言えます。 横山 良平教授 (工学研究科) 図2-1 エネルギーシステムの設計・運用過程と研究課題 積極的に学び、・を身につけよう! コージェネレー ションシステム CO2ヒートポンプ 給湯システム 図2-2 研究の対象としたエネルギーシステムの例 OPU University Social Responsibility Report16

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