大阪府立大学 環境報告書デジタルパンフレット
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千千早早赤赤阪阪村村ととボボララセセンンののつつななががりり 千早赤阪村は、府内最高峰の金剛山に隣接する大阪府にある唯一の村です。この村には、「日本の棚田百選」に選出された下赤阪の棚田があります。日本の農村風景が手つかずのまま残されており、サイクリングやツーリングに人気の場所になっています。秋には棚田の畦道に灯籠を並べてライトアップする「金剛山の里 棚田夢灯あかり」が行われたり、農業体験や自然体験が行われたりもしています。 現在、耕作放棄地の増加や、農業従事者の高齢化とそれに伴う後継者不足により、深刻な農業離れが起きています。そのような潮流に呑みこまれず、この素晴らしい棚田を未来に残していくために、棚田保全活動が始められました。「下赤阪棚田の会」は山の斜面で米作りを行う棚田を多くの人に知ってもらい、保全活動を通して景観を維持していくため、1999年に地元農家15人によって設立されました。現在も、村外の方に長期にわたって米作りを知ってもらうため、棚田のオー ナーとなって米作りを体験する「棚田オーナー制度」や、後継者育成を目指す実践型講座「大人の棚田塾」などを、棚田保全活動を支援するNPO法人「棚田ネットワーク」と連携して行っています。 ボラセンは、大阪府が「下赤阪棚田の会」と協力して運営する府民参加型の「棚田・ふるさとファンクラブ」にボランティアとして参加したことがきっかけで、直接保全活動に参加するようになりました。そして、「下赤阪棚田の会」会長のご厚意で、田植えや稲刈りといった稲作のメインとなる作業や、みかん狩り等のお手伝いもさせていただいています。ボラセンの有志メンバーで年に5回ほど訪問し、1年を通してボランティアをする中で、季節の巡りを感じながら農作業を体験することができます。 活活動動紹紹介介①①【【田田植植ええ】】 毎年6月上旬には田植えを行います。近年の田植えは機械を用いて行うのが主流となっていますが、棚田は複雑な形をしており、狭い部分やカーブになっている部分など、機械で植えるのが困難な所があります。そのような場所は、私たち学生が手で苗を植えていきます。素足で田に入り、手植えをするという貴重な経験をしました。 また、昔から長く続く神事として「早乙女の田植え」も行われており、私たちはそのお手伝いもしています。早乙女さんが音楽と掛け声に合わせて苗を植えていくこの行事では、私たちは植える位置を示すロープの提示や、早乙女さんに苗を渡す役割などを担っています。伝統行事に触れ、その魅力を肌で感じることができます。 大阪府唯一の村で棚田保全活動 ボボラランンテティィアア・・市市民民活活動動セセンンタターーVV--ssttaattiioonn(通称:ボラセン)は、「何か活動をしたい」学生と、「学生の力を借りたい」地域の方々をつなぐ場です。主に学外において、福祉、災害、環境、国際、教育、文化、まちづくりなど多方面で、地域と密着したボランティア活動を行っています。今回は、その中から大阪府に残されている貴重な田園風景を保全する活動について紹介します。 秋 実りの季節を迎えた ―下赤阪の棚田― 機械が入れない場所で手植えするボラセンメンバー下赤阪棚田ボランティアOPU University Social Responsibility Report10

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