平成30年度版(平成29年度報告)環境報告書
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長年、環境省や大阪府の環境に関する各種審議会や委員会等の委員を務め、本法人の環境取組の司令塔でもある石井実理事・副学長(研究推進機構長)を、Eえ~きゃんぱすの会の花田実世、河添修平、吉田拓矢の3名が訪問し、大阪府立大学の「環境」について対談を行いました。 ■キャンパスビオトープQ 石井副学長は、これまでキャンパスビオトープの推進等に中心的な役割を果たされてきました。環境に配慮したキャンパス整備について取組内容やお考えをお聞かせください。 中百舌鳥キャンパス全体をビオトープと位置付けて整備し、教育や研究に活用するとともに、地域の自然とのネットワークの要にしようという「キャンパスビオトープ」活動の手始めは府大池の生態系の再生でした。平成19年度に当時副学長だった奥野武俊先生と私で学内の教職員、学生で構成する「キャンパスビオトープ研究会」を立ち上げました。 その頃は特定外来生物のオオフサモという水草が池全体を覆い尽くし、大量のごみが底に沈んでいる等、府大池の環境が悪く、改善の手立てを考えていました。 そこで平成20年3月に大規模な侵略的外来種の駆除作戦を行いました。府大池の健全な生態系を守るために、池の水を一度全て抜いて、池底のヘドロとオオフサモを除去するとともに池内の魚類等を外来種、在来種で選別して在来種のみの生態系を作り直す作戦でした。ただ残念なことに、繁殖力の高い外来種のウシ ガエルは完全には駆除できず、今も多数生息しています。この外来種駆除作戦では、大学側が小型のパワーショベルを準備し、生命環境科学研究科の平井規央先生や工学研究科の中谷直樹先生を中心とする教員、学生、職員が協力しました。 その後、府大池の木製デッキや護岸も整備され、それを契機に、桜の花の美しい季節にキャンパスビオトープを近隣の方々にも楽しんでもらおうと、平成22年の春から教職員、学生等による「花はなまつり」が始まりました。中百舌鳥キャンパスの自然を楽しんでもらう「ネイチャービューセミナー・ツアー」やスタンプラリーのほか、教員や学生の企画もあり、訪れる府民の皆さんに桜と府大池の風景を楽しんでもらえているようで良かったと思っています。 ■環境マネジメントQ 大学は一つの事業体として活動しており、環境に配慮した大学運営を進めるには環境マネジメントが重要です。 本学は平成28年2月にサステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)からゴールドレートの認証を受けましたが、学内の認知度は低く、また、これを維持していくためには、かなりの努力が必要と言われています。今後の取り組みについて、お考えをお聞かせください。 ゴールドレートの認証は、本学にとって大変名誉なことで喜ばしい限りです。省エネやキャンパスビオトープ活動、副専攻「環境学」、環境報告書作成等の取り組みが評価されたものと思います。もちろん認知度向上も大切ですが、それより環境の良い状態を維持し続けることがもっと重要だと考えています。 例えば、現在、本学で重点的に支援している4つのキープロジェクトの1つにCEFPプロジェクト(物質循環型植物生産の技術開発)があります。これは宇宙船のような閉鎖系で長期にわたり多数の人間が生活対談✍石井 実副学長石井副学長対談(平成29年7月20日) 長年、環境省や大阪府の環境に関する各種審議会や委員会等の委員を務め、本法人の環境取組の司令塔でもある石井実理事・副学長(研究推進機構長)を、Eえ~きゃんぱすの会の花田実世、河添修平、吉田拓矢の3名が訪問し、大阪府立大学の「環境」について対談を行いました。 ■キャンパスビオトープQ 石井副学長は、これまでキャンパスビオトープの推進等に中心的な役割を果たされてきました。環境に配慮したキャンパス整備について取組内容やお考えをお聞かせください。 中百舌鳥キャンパス全体をビオトープと位置付けて整備し、教育や研究に活用するとともに、地域の自然とのネットワークの要にしようという「キャンパスビオトープ」活動の手始めは府大池の生態系の再生でした。平成19年度に当時副学長だった奥野武俊先生と私で学内の教職員、学生で構成する「キャンパスビオトープ研究会」を立ち上げました。 その頃は特定外来生物のオオフサモという水草が池全体を覆い尽くし、大量のごみが底に沈んでいる等、府大池の環境が悪く、改善の手立てを考えていました。 そこで平成20年3月に大規模な侵略的外来種の駆除作戦を行いました。府大池の健全な生態系を守るために、池の水を一度全て抜いて、池底のヘドロとオオフサモを除去するとともに池内の魚類等を外来種、在来種で選別して在来種のみの生態系を作り直す作戦でした。ただ残念なことに、繁殖力の高い外来種のウシ ガエルは完全には駆除できず、今も多数生息しています。この外来種駆除作戦では、大学側が小型のパワーショベルを準備し、生命環境科学研究科の平井規央先生や工学研究科の中谷直樹先生を中心とする教員、学生、職員が協力しました。 その後、府大池の木製デッキや護岸も整備され、それを契機に、桜の花の美しい季節にキャンパスビオトープを近隣の方々にも楽しんでもらおうと、平成22年の春から教職員、学生等による「花はなまつり」が始まりました。中百舌鳥キャンパスの自然を楽しんでもらう「ネイチャービューセミナー・ツアー」やスタンプラリーのほか、教員や学生の企画もあり、訪れる府民の皆さんに桜と府大池の風景を楽しんでもらえているようで良かったと思っています。 ■環境マネジメントQ 大学は一つの事業体として活動しており、環境に配慮した大学運営を進めるには環境マネジメントが重要です。 本学は平成28年2月にサステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)からゴールドレートの認証を受けましたが、学内の認知度は低く、また、これを維持していくためには、かなりの努力が必要と言われています。今後の取り組みについて、お考えをお聞かせください。 ゴールドレートの認証は、本学にとって大変名誉なことで喜ばしい限りです。省エネやキャンパスビオトープ活動、副専攻「環境学」、環境報告書作成等の取り組みが評価されたものと思います。もちろん認知度向上も大切ですが、それより環境の良い状態を維持し続けることがもっと重要だと考えています。 例えば、現在、本学で重点的に支援している4つのキープロジェクトの1つにCEFPプロジェクト(物質循環型植物生産の技術開発)があります。これは宇宙船のような閉鎖系で長期にわたり多数の人間が生活対談✍対談✍✍石井 実副学長✍石井石井石井実副学長実副学長実副学長石井副学長対談(平成29年7月20日)OPU University Social Responsibility Report2

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