平成30年度版(平成29年度報告)環境報告書
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第2章 環境研究・環境教育 大気汚染や化学分析等を研究分野とされている人間社会システム科学研究科の竹中規訓先生が研究調査の一環として、平成27年12月~平成28年3月に南極を訪問されました。そこで、南極での研究内容、暮らし、新しい発見等についてお話を伺いました。 Q 南極を訪れるまでの経緯と南極で進められた研究内容を教えてください。 およそ20年前から南極で調査や研究をしたいという夢がありましたが、仕事等の都合上、なかなか訪れる機会がありませんでした。しかし、その夢をあきらめずに思い続けたことで20年越しにようやく研究室の大学院生1名とともに南極に行くことができました。南極では雪と大気の間の物質交換やエアロゾルについて調査研究を行いました。 Q 南極ではどのような生活をしていたのですか。 私たちは有名な昭和基地ではなく、そこから90 km離れた場所で調査を行いました。もちろん周りには雪しかないところです。そのような場所で、約2か月半の間、生活する必要がありました。 生活に必要な水は、南極のきれいな雪を溶かして作りました。また、雪で身体を洗う“雪風呂”も体験しました。雪風呂は寒そうに思えるでしょうが、身体は 温かく感じました。また、風を防ぐためトイレ用のイ グルー(圧雪ブロックによるシェルター)を作る等、雪を使っていろいろ工夫しながら生活しました。食事等、特に不便なことはなく、思いのほか快適に研究活動を進めることができました。 Q 南極での不思議な現象はどのようなものがありましたか。 南極ではとても寒いにも関わらず息を吐いても白くなりません。それは、南極の空気がとてもきれいで、核となる物質が非常に少ないからです。ほかにも、気温がとても低いため外に熱湯をばらまくと雲を生成したり、きれいな雪であるため、雪を掘ると濃い青に見えるなど日本では絶対体験できないような現象が多くありました。 Q 最後に学生に伝えたいことをお願いします。 ありきたりですが、“夢をあきらめるな”ということです。どんなことでもあきらめた時点で終わりなので、自分がやりたいと思ったことは努力し続けるべきです。そうすればそのうちに良いことがあると思います。そんなに世の中は甘くないと思うかも知れませんが、甘くないようで何とかなるものです。学生の皆さんも色々なことに挑戦してほしいと思います。 担当:吉田 拓矢(E~きゃんぱすの会) 竹中 規訓教授(人間社会システム科学研究科) 南極で雪から出てくる微量ガスを測定 OPU University Social Responsibility Report20

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