平成24年度版 環境報告書
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67大阪府立大学 環境報告書(平成24年度版)  このたび、公立大学法人大阪府立大学の「環境報告書(平成24年度版)」(以下「環境報告書」という。)を拝見するとともに、中百舌鳥キャンパスにおける環境保全活動の視察並びに環境報告書の作成に関わった教職員及び学生の方々への質問等に基づき、大阪府立大学の環境保全活動について、第三者としての評価所見を述べさせて頂きます。 なお、本所見は、大学から提供を受けたデータや資料を基に作成しましたので、報告書全体の正確性を保証したものではありません。    大阪府立大学の4つの全キャンパスを挙げて、統一的な環境マネジメントシステムを構築されたことは、理事長のトップマネジメントが発揮できる組織づくりが着実に推進されていることが認められます。 しかも、環境マネジメントシステムに学生を参画させることに成功されました。これにより全学に根付いた環境負荷の着実な削減が可能となるとともに、それらの活動を通じて多くの学生が環境意識を保持できるだけでなく、学生の社会的教育が実践できるという効果があります。これは大学が行う社会への投資という点でも期待が大きいと思われます。是非、学生間での知識や経験の引き継ぎを支援して頂き、この取り組みを継続してほしいと考えます。・今回の報告書により、現況把握をシステム的に行うこと、理事長による環境理念、今後のキャンパス環境対策の目標等を表明されました。来年度の環境報告書でその検証がしっかりできるよう、種々のデータ収集を含めた学内のプラン推進体制を速やかに運用されることを期待します。・今回の環境報告書は、環境マネジメントシステムを構築した初年度ということもあり、中百舌鳥キャンパスを中心に取りまとめられたものですが、今後、これらの取り組みを羽曳野キャンパス、りんくうキャンパス及び大阪府立大学工業高等専門学校にも拡大・充実されることを期待します。・今回の環境報告書作成の特長でもある『学生による原稿作成』は非常にユニークな取り組みで、その継続を期待するものですが、学生の原稿に示された提案に対する大学見解の明示等の充実が必要と思われます。・今回構築された環境対策推進体制では、教職員とともに学生が環境推進員に位置付けられています。環境推進員がその役割を十分に発揮できるよう、大学として、研修会の開催等を行うとともに、具体的な活動内容とその結果を評価するシステムづくりの推進が必要と思われます。・省エネルギーに対する取り組みは一定評価できるレベルにあります。今後は、対策の効果を学内の誰もが理解できるよう『見える化』の工夫が必要ですので、多くの学生のアイデアの活用を期待します。また、新たな取り組みである、教育・研究に使用する実験装置等の省エネルギー化の検討は、ポジティブな環境改善に向けた取り組みとして、その成果を期待します。・廃棄物に対する取り組みは、位置する市町村により収集・減量化の取り組みに相違点があり、全学で統一的な対応が難しい一面がありますが、計量データの精度を高め、中百舌鳥キャンパス以外のキャンパスも含めたデータ収集体制の構築が望まれます。・物品の調達に当たっては、グリーン調達方針を作成されることも必要と考えます。 平成24年9月5日地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所理事長 大河内 基夫大阪府立大学 環境報告書(平成24年度版) 

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