平成24年度版 環境報告書
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57Column555555 堺・異分野の会は、学内での学部学科の垣根を越えたアカデミックな交流を目的とした団体です。放射線研究所や植物工場といった学内施設を紹介する見学会、学生と教職員が食事をしながら交流をする芋煮会、地域の方を招いたサイエンスカフェなどのイベントを開催してきました。学生:サイエンスカフェでは、地域の方を招き、大学教員が講義を行ったと伺いました。どのようなきっかけや意図があったのですか。東日本大震災が起こり、私達学生に出来ることを考えました。そこで、震災に関して大学教員に講義して頂き、また地域の方との意見交換を通じ、震災について共に考えることを目的としたサイエンスカフェを行いました。教員の方には津波、放射線、新幹線の耐震について講義して頂きました。講義の後、教員と地域の方でグループディスカッションを行い、また質問カードを用いて、地域の方の疑問などに答え、意見交換をしました。サイエンスカフェ後、アンケートによる地域の方からの意見には、これからも続けてほしい、もっとコミュニケーションの時間が欲しいなどの内容がありました。地域の方の意欲的な姿勢が見えたため、サイエンスカサイエンスカフェとは、カフェのようにリラックスした雰囲気の中で、科学について語り合うことによって、科学を市民のものに、あるいは人びとの日常文化の中へと戻し、人びとにとって身近なものにしようとするものです。国や地域によってそれぞれ「カフェ」となる場所や中身は異なりますが、堅苦しい講義や説明会のような場で一方通行で話を聞く、教えてもらう、という従来のあり方を反省し、参加者同士、参加者と話題提供者が相互にコミュニケーションをとることが重視されています。福島の原発事故以降、放射能汚染に関する対処をめぐって社会が大きく混乱したことは記憶に新しいでしょう。何が「正しい」知識なのか、的確な判断や行動はどの基準をもとになされるべきなのか、そもそもリスクとは何で、どのように定められるものなのか。放射能汚染に関する科学的知識そのものの難解さや複雑さは、いっそう問題を難しくしました。ポスト3.11の社会では、より一層、科学コミュニケーションの重要性が増すとともに、サイエンスカフェの果たす役割も大きくなることが予想されます。フェを開催した意義はあったと思います。 学生:今後の目標や活動について教えて下さい。人が集まれば新しい何かが生まれる。そのきっかけを作りたいです。具体的な活動としては、さくらまつりという地域の方を招いた大学行事でサイエンスカフェを開催する予定です。学内と学外、学生と教職員など様々な垣根を越えたアカデミックな交流の場を設けたいと思います。 学生:西本さん、本日はありがとうございました。Cさん、本日はありがとうございました。

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