平成24年度版 環境報告書
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525大阪府立大学(中百舌鳥キャンパス)は広域避難地(堺市の中・東・北区に住む方に対して「大規模な火災に対して安全な空間として指定」 ※堺市ホームページより)に指定されています。大規模な災害が起こった時、まず避難する場所として頭に置いておくことは大切だと思います。その上の段階、つまり災害本部の設置などは今後考慮していけたらと思っています。対策が遅くては駄目だということを、今回学んだからこそ、生かさなければならないんです。 学生:様々な活動をしてこられて思う、防災・減災に対する改善点はどこだと思いますか。(阪神・淡路大震災や、新潟県中越沖地震などの)今までの震災のことが検証されてこなかったと思います。団体は被災地に入って活動して撤退したら「今まで何をしてきたか」等についてまとめずに終わっていた。 避難体制が整っていたところは生存率が高かったということもありますし、「ここに逃げるのだ」という誘致のマニュアルがしっかりあれば被害の拡大も防げるのではないかと思います。「今後自分たちの身にも何かあるかもしれない」という危機意識を高めることも大事だと思います。 学生:危機意識を高めるために大学側から働きかけようと思っていることはありますか。ボランティアセンターでは、たとえばOPU for 3.11ネットワーク(全国で災害が起こった際に対応するためなど、地域の防災意識を高めることと、全国にネットワークを作ることを目指している学生中心の団体)など意識をもって動いている団体に対して、情報の提供や、「やるべき」活動(例:災害被災地から現地の方をお呼びして防災について話していただき、意識を高めるなど)を積極的にバックアップしていきたいと思っています。 :学生側からも、たとえば防災マニュアルがないのであれば、自分たちで形を作って提案していくべきだと思います。「やるべき」と思ったときにすぐやること、動くことができることが大事だと現地でも学びました。 東日本大震災が起こって、もう1年近く経ちます。大阪府立大学として、まだまだこれからもやるべきことは多いと感じます。今回の取材で印象的だったのは、大阪府立大学の学生は一度「何かしたい」と言う気持ちを喚起されれば、大きな力を発揮出来る、潜在的な意識の高さがあることです。関西の他大学をリード出来る可能性をたくさん秘めていると感じます。だからこそ、「被災地のニーズをキャッチし、学生に提供すること」、「被災した時の対応について具体的な対策を立てる」ことにより、学生にとってより動きやすく、力を最大限に発揮出来る環境づくりを、大学と学生が共に行うことが必要ではないでしょうか。 学生は情報や機会を与えられるのを待つ受け身の姿勢ではなく、自ら情報を集め、機会を作り出す。そして、大学側はそのような学生の動きにいち早く対応しながら、後援体制を整える。 この両輪がそろって走りだせるような仕組みづくりに、私も積極的に取り組んでいきたいと思います。生かさなければならないんです。

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