平成24年度版 環境報告書
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262 私たちの生活はこれまで、火力、原子力発電に大きく依存してきました。しかし、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけとする東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、発電方法に関する問題が指摘されるようになりました。また、原子力発電の使用抑制により、省エネルギーが以前にも増して社会的に急務な課題となり、持続可能な社会を目指すためにも、私たちはこれからのエネルギー問題に向き合わなくてはなりません。 そのような課題を抱える社会における大学の使命として、本学も、ますます、エネルギーに関する取り組みが必要になります。例えば、堺市等周辺の地域社会と連携を図りながら、メガソーラー等の太陽光発電や、有機廃棄物を利用したバイオマスエネルギーなど、地産地消型の再生可能エネルギーシステムの開発・構築を踏まえた持続可能な地域社会づくりは、大学が貢献できる大きなテーマになると考えます。また、技術・システム開発によるエネルギーの最適化により、より一層の省エネルギー実現に貢献することが求められていると考えます。 すでに本学では、21世紀科学研究機構の各研究所を初めとして、その一端を担う研究が始まっています。たとえば、エネルギー効率の良いソーラーパネルの開発に関する研究や、府大池に大量に発生するアゾラや人為的に発生するごみをバイオマス化させてエネルギーにする研究が行われています。 また、他の先端研究においても、エネルギーの最適化や再生可能エネルギー利用を出来る限り意識し、環境に配慮したエネルギー利用が行われています。例えば、植物工場研究センターでは、完全閉鎖型植物工場の開発に関して、太陽光発電とLED利用や空調システム効率向上の組み合わせによって、最もエネルギー効率の良い食糧生産を目指しています。 再生可能エネルギーには不安定あるいは少量であるという問題もありますが、地域内で太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギーを組み合わせることで、あるいはさらなる技術・システム開発によって、解決できることは数多くあると思います。学問の府として、そのような研究を通して地域に貢献することが必要でしょう。 また、本学においても、さらに省エネルギーに取り組むことが必要です。空調やガスなどの無駄遣いを自動的に省けるような技術的なシステムの構築、電気消費量を大きく抑えることのできるLEDの積極導入などが望まれます。 今後は、地域社会への貢献の一環として、堺市が進める堺エコロジー大学等と協力して講演会、展示会を開催するなど、地域の方々や学生に対するエネルギーの正しい知識の提供や省エネルギー意識の向上も課題となるでしょう。 これらの総合的な取り組みを通じて、大阪府立大学は、教育や研究の両者を踏まえ、再生可能エネルギーを活用した地産地消型の持続可能なシステムづくりや省エネルギーの普及を通じて、その使命を果たすことが出来ると考えます。 普及を通じて、そ使命を果たすとが出来るます。応用化学科応用化学科エネルギーに関する研究は、これまでも取り組んできたところですが、昨今の社会情勢を踏まえるとその重要性はますます増大していると考えます。学生のみなさんの未来展望にも応えていくのが大学の使命と考えており、省エネルギー、創エネルギーの研究に取り組むこととしています。また、平成24年度においては、教育研究に使用する実験装置についても省エネルギーの推進方策の検討を進めます。大学からの回答

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