平成24年度版 環境報告書
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25Column222222様々な場所で原子力発電に関する議論、運動が行われています。 私は、ここで注目するべき問題の一つに、日本の「エネルギー自給率の低さ」があると思います。日本は約96%のエネルギー源を輸入に依存しながら、エネルギーの安定供給、コスト、環境影響等を検討し、電気を供給しなければなりません。 原子力発電を利用する場合、放射性物質の拡散等の事故時のリスクの大きさ、またテロ等の懸念から平和的に利用・管理することが必要です。また、脱原発を行った場合、近い将来としては、液化天然ガス(LNG)などを利用し、火力発電の利用割合を多くせざるを得ません。 それらを安定的に輸入することができるか、また温室効果ガス排出量増加をどう食い止めるかが課題になると思います。これらの問題を改善するために、私は、エネルギー消費量の削減、および再生可能エネルギーの導入等により国内のエネルギー自給率を上げることが必要になると思います。 日本の将来のエネルギー像をどう描くか。何を最も重視するか。将来の中心世代を担う大学生が今の時点から議論するべきではないでしょうか。 2012年2月に京都で開催された「みんなのエネルギー・環境会議 若者編」など、既に若者間での将来のエネルギー像に関する議論は始まっています。大阪府立大学など、エネルギー使用量の多い大学においても、将来のエネルギー像のモデルとなって行動に移すことが必要であると思います。 私は昨年、南アフリカ共和国ダーバンにて開催された気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)に参加しました。深刻化する気候変動への対策に向けて、温室効果ガス排出量削減が急務の中、京都議定書の約束期間(2012年)以降の国際的枠組みが最も注目される議題の一つでした。 しかし、先進国の温室効果ガス排出割合が低下する一方で、中国、インドをはじめとするBRICSの経済発展により、先進国のみ削減目標を課する京都議定書を巡る先進国と発展途上国の対立で、COPの議論は進みませんでした。 このCOP17は,何も法的ルールが存在しない「空白期間」を作らないための重要な会議でした。多くの先進国、発展途上国が合意に向けた案を提案する中、日本は京都議定書の継続(第二約束期間)に反対し、新たな法的枠組みを作ることを提案し続けました。結果、新たな法的枠組みが合意されるまでの間、京都議定書第二約束期間として各国に削減義務が課されたのに対し、反対していた日本は第二約束期間において、削減義務を持たなくなりました。 東日本大地震での福島第一原発事故以降、日本では、様いネ9のし故利場利
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