平成24年度版 環境報告書
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242ができています。 平成24年度以降は、施設内のLED化を進めるとともに、さらなるエネルギー最適化の研究を、細密なモニタリングと共に行い、植物工場に必要なエネルギーシステムの持続可能性を高めていきたいと考えています。  本学が進めている完全人工光型植物工場研究は、地球温暖化による気候変動や、環境汚染など、外部環境からの影響に左右されにくい循環型システムを創出する、未来に資する研究です。今後は、再生可能エネルギーの積極的な利用や施設内のエネルギー・物質循環のより一層ち密な管理システムの構築を目指します。 そして、社会経済基盤の一環として、さらなる技術の展開と、その技術輸出を担えるためのシステムの標準化を実現したいと考えています。各企業との連携もより一層進める予定です。があげられ、学内の産学官連携の重要な拠点研究の一つとなっています。 植物工場センターでは、生産コスト30%縮減をめざし、レタス、コケ、ハーブ、アイスプラントの栽培管理技術の実証研究を行っています。同時に、左図に示すように、完全人工光型植物工場に必要な要素技術の総合開発を行い、テクノインテグレーションの実現を目指しています。 テクノインテグレーションは、エネルギー利用の最適化を進めるものです。未来に向け、本学の植物工場では、持続可能な社会の構築に向けて、太陽光や太陽熱、風力や潮力など、それぞれの場所の特徴に合わせた再生可能エネルギーを組み込み、エネルギー利用の最適化を通じて、より環境に負荷の少ないシステムを作り出そうとしています。 今後の目標は、エネルギー供給システムを併せ持つ植物工場として技術を標準化し、すぐれたインフラ整備技術の一環として技術輸出を行うことです。 本植物工場の屋上には、太陽光発電が取り付けられています。本植物工場では、空調室外機、太陽光発電、緑化システムの一体化を図り、太陽電池や空調の周りの高温化を防ぎエネルギー利用の効率を上げる仕組みを整えています。 具体的には、太陽光電池の下に緑化設備を置き、開口部付近に空調室外機を配置しています。冷房運転時、空調器は室外機吸い込み温度が低いほど空調運転効率は上がり、太陽電池も同様に温度が低いほど発電効率は向上する性質があります。この両者の効果を得るために、太陽電池の陰による遮熱と灌水された緑化設備で冷却します。一方、空調室外機の排熱は、気流によってシステム外に排出されるという仕組みになっています。  このハイブリッドエコエネルギーシステムを採用した結果、夏季において、空調運転効果はシステム採用前に比べて18.7%改善し、太陽光発電効率も1.3%改善しています。結果として、CO2排出量も20%削減すること

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