平成24年度版 環境報告書
25/72

222 「湖沼で繁茂する水生植物からのエネルギーおよび肥料成分の回収」については、枯死体による水域環境悪化といった問題を引き起こしつつある繁殖力の高い水生植物を湖沼から収穫し、メタン発酵によってエネルギーおよび窒素やリンなどの肥料成分を回収し利活用する手法を研究しています。 中百舌鳥キャンパスの府大池を含む、近畿地方各地のため池の一部では、夏期にアゾラとよばれる浮遊性シダ植物が大量繁茂しています。 現在本研究グループでは、アゾラの成長速度やアゾラからのエネルギーおよび肥料成分の回収量を調査し、これらのデータを基にアゾラのメタン発酵によるバイオマス利活用シミュレーションを行っています。このシミュレーション結果を基に、従来廃棄物として処分されてきた水生植物を資源として最大限利用しつつ、管理コスト低下および好ましい水域環境を実現できるバイオマス利活用システムの構築を目指しています。 「消化液を用いた植物の水耕栽培」については、堺市や地元企業等と共同で、メタン発酵消化液を利用した高効率資源循環型の植物生産システムに関する栽培実験を行っています。本システムでは、メタン発酵で生じるメタンは栽培のための電気と熱の供給に、二酸化炭素は光合成に、さらに消化液は肥料として用いられ、化石資源および化学肥料の使用を極力抑制します。なお、生産する野菜としては、地域社会で育まれてきた地場野菜をターゲットのひとつとしています。―メタン発酵―

元のページ 

page 25

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です