平成24年度版 環境報告書
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212222222  ①地域特性に応じたメタン発酵法が未確立であり潜   在的な資源を充分に利用できていないこと  ②消化液の利用先が確保されていないこと等が挙げられます。これらの解決のためには、地域社会で発生するバイオマスの性質を把握し、消化液を用いた植物生産なども含めた柔軟なシステムづくりを行うことが必要であると考えられます。 地域のバイオマスを総合的かつ効率的に活用するための市町村レベルの計画である「バイオマスタウン構想」では、300地区という国の目標を上回る318地区(平成23年4月現在)が公表されています。 そのうち半数以上の地区がメタン発酵に取り組むとしており、地域レベルにおけるメタン発酵の今後の普及が期待されています。 生物環境学研究グループでは、環境・植物・人間活動の関係について、「植物による環境調節」および「植物のための環境調節」という視点で研究を展開しています。 地域社会の課題に対応するメタン発酵研究としては、地域特性に対応したバイオマス利活用の点から「湖沼で繁茂する水生植物からのエネルギーおよび肥料成分の回収」について、また、消化液の利用先確保の点から「消化液を用いた植物の水耕栽培」について取り組んでいます。  バイオマス・ニッポン総合戦略では、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」をバイオマスと定義しています。バイオマスは太陽エネルギーを用いて植物が水と二酸化炭素から生み出す再生可能な資源であり、持続可能な循環型社会の基幹をなすものとして注目されています。 バイオマスは、バイオマス転換技術によって使いやすい形に変えて用いられます。メタン発酵は、廃棄物系バイオマスを主対象としたバイオマス転換技術で、微生物による分解を経て、エネルギーとしてメタンを、また、発酵後に残った液体(消化液)を植物生産のための液体肥料として利活用できます。 他のバイオマス転換技術に比べて優れている点として、生ごみや下水汚泥といった、既に豊富に存在する有機性廃棄物も対象とできること、地球温暖化抑制効果が高いこと等が挙げられます。 一方で、我が国におけるメタン発酵の課題としては、で成2 そす。

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