大阪府立大学 ロールモデル集
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研究概要少子高齢化が進展する日本において、生活習慣病を予防し、社会生活を営むために必要な機能の維持・向上を図ることは健康寿命延伸の観点からも重要と言われています。しかし、ライフステージやライフスタイルにより、健康に関する問題や課題は異なり一様ではありません。当然、健康の維持・増進のための方法もライフステージやライフスタイルなどにより変わってきます。そのため、これらに応じた健康の維持・増進を図るための具体的な方法について「食」が関わる面から研究を行っています。現在は、女性に着目して2つのテーマで研究を行っています。1つ目は、生活習慣病の1つでもある歯周病について、口腔細菌叢や歯周病原細菌の保有状況を女性のライフステージ別に調査し、食習慣や生活習慣などとの関連性について検討する、です。2つ目は、若年女性において見られる健康上の問題点を栄養面からサポートするための方法についての検討です。こちらについては、若年女性の中でもスポーツを行っている女性に的を絞り進めています。研究の魅力、独自性および従来研究と比べての優位性私が携わっている研究のみに言えることではありませんが、研究の対象が「人」であり、人が生きていく上で切り離せない「食」と関わっていることが魅力です。これまでに「食」が、健康と深く関わっていることは明らかになっているものの、実際には「食」をクリアに把握することはかなり難しいと言われています。その一方で、「食」に関する情報は巷に溢れかえっており、その中には根拠に乏しいものも多数あるのも事実です。また、「食」を考える際には、「食」に関わる数多くの背景について考える必要があります。研究では、このような社会の状況や食を取り巻く状況をふまえたうえで、食の専門家として活躍している管理栄養士や栄養士がどのように関わっていけるのか、現場での応用を含めて検討していきたいと考えています。研究のこれから研究の対象が「人」であるだけに、1つの分野からのみ物事を考えていくことはできません。私の専門は栄養になりますが、実際に研究結果を生かしていく分野が栄養になるとは限らないですし、むしろ「食」が人が生きていく上で必要な限り、関連しない分野はほとんどないと思います。そのため、さまざまな方面の専門家と連携して幅広い視野で進めていくべきだと考えています。連携できるところがあれば、どんどん連携していきたいと思います。また、社会情勢の変化とともに研究の方向性を柔軟に変更していくことも必要になるかと思います。女性の社会進出が進み、女性の活躍の場も増えてきている一方で、付随する問題も少なくありません。自分自身も働く女性の一人になりますが、悩みや不安が尽きることはありません。行っている研究が少しでも社会に還元できるよう進めていきたいと考えています。人が生きていく上で切り離せない「食」と関わり健康の維持・増進を図るための方法として「食」に、管理栄養士や栄養士がどのように関わっていけるのか、現場での応用を含めて検討していきたいMODEL08趣味は食べ歩きです。さまざまな土地でその土地ならではの食文化に触れることが大好きです。料理を食べたり、お茶などを飲んだり、料理に使われている食材を売っている市場に行ったり、地元の人たちの食生活を見たり、食文化について調べてみたり……というようなことをしているときは、時間と体力の限界を忘れて夢中になっていることが多いです。特に、アジア料理、スパイスをつかった料理には目がないです。趣 味本学で生産した工場野菜(レタス)を使った「アイデアレシピコンテスト」での審査の様子学内のレシピコンテストの審査員を務めたり、指導学生が地域の企業が食育啓発活動の一環として実施する「愛情お弁当コンテスト」で多数入賞するなど、学校と家庭、地域、外食・流通産業、産地等と連携した、地域の健全な食生活の推進役です。研究を    に生かす社会23

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