府大支援センター_ロールモデル集-2
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坂本 佳子大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科緑地環境科学専攻 緑地保全・創成学講座昆虫学研究グループ 博士後期課程日本学術振興会特別研究員DC2(2011年~)2003年 兵庫県立明石高等学校美術科卒業2008年 大阪府立大学農学部応用植物科学科卒業2010年 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科緑地環境科学専攻博士前期課程修了Profile第3回「世界に翔け!理系女子大学院生」表彰最優秀賞受賞29れないことがしばしばありますが、研究のための努力は苦にならないのが不思議です。 国際的に活躍する研究者になるためには発信型の英語(スピーキングやライティング等)が必要と考え、学部時代はESS(英語研究会)に入部していました。もともと英語を読むのも聞くのも苦手で、話すなんて尚更無理、人前で英文を読むだけでも赤面するほどでした。流暢に話せるようになりたい一心で地道に練習を重ねた結果、大会で好成績を収め、大阪府立大学後援会から個人奨励賞をいただきました。壇上に立って英語でスピーチしなければならない環境が、上達への近道だったと思います。ESSの活動は、私の大学生活のほとんどを占めていました。おかげで今では、英語が大好きです。 小中学校では、宿題もろくに提出せず、授業中は頻繁に居眠り、起きていても上の空で、不良ではなかったですが不真面目な生徒でした。どうして単語や公式を覚えなければならないのか、理由が見つからなかったので、とにかく反発していましたね。その頃は、絵を描いたり物を作ったりするのが好きだったので、高校は美術科に進学しました。美術科カリキュラムは、授業の3分の1が素描や絵画に充てられていて、毎日のびのびした生活を送っていました。ある日の生物の授業で、メンデルの遺伝の法則を知ったときが、はじめて教科書とまともに向き合った瞬間だと記憶しています。適切な研究材料と単純明解な方法を用いて,地道な努力の末に成り立った美しい法則には、本当に惚れ惚れしました。勉強が「覚えるもの」から「知りたいこと」になると、自主的に机に向かうようになり、ゆくゆくは研究者になりたいと考えはじめました。 2009年に北京で開かれたアジア太平洋昆虫学会で口頭発表を行いました。日頃から、研究室のセミナーで国際学会を模した口頭発表を行う機会が与えられていましたので、本番ではそれほど緊張しませんでした。発表後には、たくさんの方々から矢継ぎ早に質問が飛び、的確に回答しきれず悔しかったのを覚えています。それでも、何か反応があるというのは、自分の研究に興味を持ってもらった証拠なので、非常にありがたく感じました。英語を外国語として話す方が多かったので、お互いの発音の癖が強くてなかなか伝わらないこともありましたが、学部時代に培ってきた英語力で自身の研究をアピールできたことは素直に嬉しかったです。2012年は韓国で発表予定です。立派な研究者になって科学を前進させること。そして、幸せな家庭を築き、老後はつつましく穏やかに暮らしたいです。私自身、知識不足で苦労することがよくあります。知識は強みです。専門も専門外もどんなことでも、学べる環境と時間があるうちにどんどん吸収してください。ひらめき、発見、深い思考力に繋がります。お互いに精進していきましょう!将来の目標・夢 Dream後輩へのメッセージ Message勉強が「覚えるもの」から「知りたいこと」になって、研究者になりたいと考えはじめました調査風景です。すぐそばに大阪国際空港があります。 生物学の基礎的な研究がしたくて、学部1回生の時に、昆虫学研究室(在籍中)に見学に訪れました。その後研究補助員として雇っていただき、昆虫の飼育や実験に携わりました。現在の研究技術の礎となるよい経験だったと思います。私の研究は、絶滅危惧種のシルビアシジミ(チョウ目)が、宿主の性を操作すると言われている共生細菌「ボルバキア」に感染することで、どのような影響があるかを明らかにすることです。チョウの飼育期間中は、それだけで一日が終わることや休みが取子ども時代から大学入学まで大学生活国際学会に出席して

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