府大支援センター_ロールモデル集-2
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独身の頃は自分の時間は全て自分のために使えましたから、時間を気にせず仕事にも趣味にも打ち込めました。私は、「やれることは何でもやりたい」質なので、研究に対しても「結果が出る可能性があるなら、あれもこれもやります!」とブルドーザーのように取り組んできたと感じます。もちろん、その労力が実を結んだこともありますが、子どもが生まれてからは、時間と労力の無駄を省いて有功に使えるよう、少しずつ意識を変えてきました。決まった時間に仕事を切り上げるために、時間のかかる実験はあらかじめ予定を組んでおく必要があります。毎日、「明日やるべきこと」を書き残して帰宅し、日中は残り時間をにらみながら効率よく仕事をこなそうと努力しています。今は、女性研究者支援センターにつけていただいている研究支援員の方の存在が大きな助けになっています。 同じ研究者の夫とは離れて暮らしているため、家事や育児は私がおこないます。仕事に割ける時間が限られていることに焦る気持ちはありますが、やはり子どもは可愛く、その成長にはいつも驚かされます。今は目の前のひとつひとつを丁寧にこなし、徐々に仕事の割合を増やしていきたいです。家事・育家事・育家事・育家事・育育家事・育児児児児児40%40%40%40%その他その他その他その他の他20%20%20%20%2仕事仕事仕事仕事事40%40%40%%40%% 物心ついた頃から、虫や動物が大好きでした。幼稚園児の頃は毛虫もつかんでいたことを覚えています。ツバメの巣の下の地面にミミズをおいて、親鳥がひなにあげてくれないかとずっと待ったまま干からびさせてしまったり、カマキリの卵をたくさん集めて家に置いておいたところ、いっせいに孵化して部屋中が赤ちゃんカマキリだらけになって、母親が悲鳴をあげていたこともありました。 自然豊かなところで育ったので、虫や鳥などの生き物に触れる機会がたくさんありました。小さい頃にあのような環境で毎日走り回っていられたのは、今振り返ってみると貴重な経験です。 自然に理系の生物を学ぶ道を選びました。温暖化や環境汚染などの問題に興味があり、私にできることは何だろうと考える学生時代でした。植物が静かにエネルギーを作り出す光合成に関心をもち、漠然と生き物の力で環境問題に取り組みたい、と大学4年生では光合成を研究する部屋に入れていただきました。初めての研究室生活でしたが、先生方が結果が出るたびに嬉しそうに話し合っている姿を見て、“いくつになってもワクワクと楽しく仕事ができそう”と感じたのが研究職を考えたきっかけでした。 大学院では、光合成そのものからは離れましたが、植物が光に応答するしくみについて興味を掘り下げ、実験や勉強、議論に夢中で取り組みました。教員や先輩後輩にも恵まれ、たくさんの影響を受けて成長することができたと感謝しています。 博士号取得後、博士研究員として研究室に残りました。その間に大阪府立大学で助手を募集している事を知り、応募したのが現職に就くきっかけでした。 大学院では主に生理学、生化学的な研究を行ってきました。ある生命現象について、関わっている因子(タンパク質)を一つ一つ同定し、その現象が起こるしくみをタンパク質間の相互作用によって説明することを目指しました。現在の研究室では、さらに細かい視点で生命現象を解く事を目指しています。例えば、ある刺激受容タンパク質が刺激を受容すると、タンパク質の立体構造が変化し、その結果、他のタンパク質との相互作用が変わります。そして、この相互作用の変化によって、刺激がシグナルとして伝わります。現在はテーマの一つとして、刺激を受容したタンパク質の構造変化を見いだす研究に取り組んでいます。ここでしか学べない技術や知識、考え方などを獲得し、同じ生命現象を様々な角度から見られるようになることが目標です。 学生実習や講義の他、研究室では毎年1~2名の卒業研究を指導しています。学生が自発的に自分の研究テーマに取り組めるよう、意識して接しています。卒業後、研究職に就かなかったとしても、計画を立て、正確に実験して結果を出すことのサイクルが身につけば、どんな場所でも役立つと信じているので。そして、新しい結果が出たときの達成感も味わい、糧にしていって欲しいです。Personal HistoryWork Life Balance●●学生時代●社会人時代将来の目標・夢DreamMessage後輩へのメッセージ夢中になれることや物を大切にしてください。勉強や仕事に直接つながらないとしても、ひとつひとつが自分を知る材料になって自信につながり、道が開けてくると思います。子どもの成長を見ながら、仕事に費やせる時間や労力、意識を以前のように増やしていき、成果につなげていきたいです。●●学生時代(~2003)●社会人時代(2001~)2007結婚第1子出産2006日本植物学会若手奨励賞受賞2005~大阪府立大学大学院理学系研究科助教2004~大阪府立大学先端科学研究所助手2003~日本学術振興会特別研究員PD2001~日本学術振興会特別研究員DC2~1998東京理科大学卒業~2000東京大学大学院修士課程修了~2003東京大学大学院博士課程修了13

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