IRIS活動報告2012学生版
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8私は今、大学院の博士後期課程一年生で、植物が罹る病気について研究しています(植物病理学といいます)。私が所属している植物バイオサイエンス分野では、植物についての色々な研究が行われています。学生は三年生後期になると自ら行きたい研究室を選んで、そこで自分が希望する、あるいは与えられたテーマについて実験をし、先生と話し合いながら研究を進めます。それまでの間は、植物のしくみや利用法など、植物に関する知識を幅広く学びます。私が植物関係へ進んだ経緯は、小学校に入る頃に遡ります。私の両親は、小さいときから海や山へよく連れて行ってくれ、そのおかげで、私は植物や生き物、自然に興味を持つようになりました。小、中学校の授業でも、一番好きな科目は理科。実験したり観察したり、自分で考えながら身の回りのなぜ?を明らかにすることの楽しさを知りました。高校でも生物だけは、よく勉強しました。実は、数学や化学はあまり得意ではなかったのですが、大学で好きなことをするためには理系に行くしかないと思い、不得意ながらも頑張りました。そして現在、私は植物病理学の専門家になるべく、日々研究に励んでいます。もちろん、今のように好きなことに没頭できるようになるまでに、苦しいときは何度かありましたが、どうしてもやりたいことがあったおかげで、めげずにここまで来ることができました。大学に入学した頃、先生方が、ご自分の研究について楽しそうにお話されている姿を見て、私は自分もこんな風になりたい!と思いました。大学には植物に関することを勉強したいと思い、入学したものの、具体的に将来どうしたいという事は考えていませんでしたが、その瞬間、それまでの人生の中で初めて自分のなりたいものを見つけました。その為には、博士号を取らなければならないと思い、博士後期課程への進学を決めました。将来の目標は大学で研究をしながら学生さんを育てること。これは後期課程への進学を決めた頃から変わっていません。そしてもう一つの目標は、植物病理学という学問領域に進んだきっかけとも関係があります。私は現在、植物に感染するウイルスについて研究しているのですが、現時点では、植物は一度ウイルスに感染すると治らないとされています。これを学部時代の授業で聞いた私は、それなら自分が治してやろう、と大それたことを考え、植物病理学を選んだのです。ゆえにもう一つの目標は、ウイルス病を治療する方法の発見に貢献することです。子どもたちや高校生、一般の人向けに実験教室を開催したときに、来てくださった方たちが驚いたり、楽しんでいる姿を見るのが嬉しいです。また分野の違う理系の女性に出会える場でもあり、そういう人たちと交流することができるのは、IRISならではだと思います。学生時代について将来の夢・目標IRISの感想理系へ進学する女子高校生は徐々に増えつつありますが、博士課程へ進みその道のスペシャリストになる女性は、まだまだ多くはありません。かつて「博士課程なんかに進むと変人になる」と言った知人がいましたが、そんなことはありません(笑)。仲間が増えるのを楽しみに待っています。後輩へのメッセージ植物ウイルスが感染した植物体内で、どのように植物体全身に感染を広げていくのかを調べています。2005年3月私立四天王寺高等学校卒業2009年3月大阪府立大学 生命環境科学部植物バイオサイエンス学科卒業2011年3月大阪府立大学 大学院生命環境科学科 応用生命科学専攻植物バイオサイエンス分野 博士前期課程修了▪西村 幸芳 NISHIMURA SACHIKA生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 植物バイオサイエンス分野博士後期課程1年

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