IRIS活動報告2012学生版
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5私は、この春より一般企業で研究職に就きます。夢は「世の中の人たちに役立ち、驚きと感動を与える、革新的な製品を創り出すこと」です。ありがちで、達成しやすいことのように思われるかもしれません。しかし、大学院での研究生活を経て、これは決して簡単なことではないと、感じるようになりました。私たちが生活している世の中では、次々と新しい製品が生まれてきます。その一つの製品が生まれる背景には、世界中の、数え切れないほどの化学者が何十年もかけて研究を行なった成果が、詰まっているということが分かりました。いつかきっと、私もそのような化学者の一人として、周囲の人たちと力を合わせて、多くの人に喜んでもらえる、革新的な製品を、世の中に送り出したいです。また、幸せな家庭を築くことも大切な夢です。子どもは3人以上で賑やかに(笑)!明るい家族を支え、支えられて、仕事も家庭も両立できるような、力強く優しいお母さんになりたいです。学生時代について将来の夢・目標理系は大変だ、というイメージがあるかと思いますが、便利で過ごしやすい世の中を支えるために、欠かせない存在だと思います。大変なだけに仲間同士の絆は強いので、励まし合いながら乗り越えていけますよ。後輩へのメッセージ次世代のエネルギー源として期待されている有機太陽電池のドナー性材料の研究開発を行っています。2006年3月大阪教育大学附属高等学校平野校舎卒業2010年3月大阪府立大学 工学部 応用化学分野卒業▪岩田 典己 IWATA NORIKO工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野博士前期課程2年小学校の頃から不思議なことが好きで、よく外に出て自然の中にある面白いことを探して、遊んでいました。中学・高校になると、授業で実験をする機会が増え、生活の中でなぜ?と感じることの理由がわかったり、見たこともない現象を目の当たりにしたりすることで、化学が面白いと気づくようになりました。大学の進路を選ぶ時、心理学にも興味を持っていた私は、文系か理系かでも迷いましたが、「ここで化学をやらないなら一生やることはないだろう」と考え、化学系に進みました。実際に入ってみると、難しい勉強もたくさんしなければなりませんでしたが、やはり実験は、面白いです。分子を設計して合成していくと、ある段階から色を持つ物質になり、また次の段階ではさらに異なる色に変わり、最終的には、自分の作った分子が光ったり、電気を流したりするのです。目で見えている現象の中で、ナノスケールで分子達が動いていることを考えると、化学物質を確かに自分の手で扱っているものの、想像の世界の物質を扱っているかのような感覚になります。そんな不思議な化学において、些細な事でも感動しあえる研究室の仲間たちと、励まし合いながら研究生活を送ってきました。理系には、女性が少ないのが現状ですので、仲間である理系女子の方々と出会え、仲良くなれたことが嬉しかったです。活動では、小学生から高校生のみなさんと触れ合い、たくさんの元気をもらえてとても楽しかったです。IRISの感想
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