IRIS活動報告2012学生版
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4小中学生の頃は、海外の本や映画が大好きで、海外に住む叔母の影響もあり、海外で働くことを夢見ていました。そのため、理系科目よりも英語が得意で、将来は外国語大学に行き、映画の翻訳に携わりたいと思っていました。高校生になっても英語は好きでしたが、歴史科目のように暗記しなくても、解くプロセスを身につけていれば何とかなる数学や物理の方が自分の性格に合っているように思い、理系に進みました。大学受験は、天体や空に興味があったので宇宙関連の学科を受けましたが、受かったのは第二希望の海洋システム工学科でした。学部生時代は、勉強は最小限でバスケットボールや旅行、アルバイトに熱中する、ごく普通の大学生だったと思います。ただ、クラブを引退し将来を考える時期になり、自分がこれから何をしたいのか分からず、悩みました。そんな時、学科の先生から海洋調査船「みらい」に乗って海のことを調べる研究を聞き、「みらい」に乗りたい一心で、その研究室に入りました。その後、研究室の先生に背中を押してもらい、長年の夢だった留学、そして「みらい」への乗船も叶い、自分の視野を大きく広げることができた研究室生活でした。博士前期課程で卒業後4年間働きましたが、やはり研究に関わっていたいとの思いから、博士後期課程に戻ってきました。現在は、博士研究だけでなく、学内の異分野交流の活動などにも、積極的に参加しています。博士研究のテーマである、海陸一体型物質循環システムの構築は、海を利用し海と共生していく人間活動のあり方を追求するという、とても壮大なテーマです。数年間で、そして個人で実現できるものではなく、市民、自治体、企業そして研究者が一体となって、取り組む必要があります。長い道のりですが、研究者の立場から、そして将来は各々の立場や研究分野を繋ぐコーディネーターとして関わり、私たちの子どもや孫の世代が、より良い環境で生きていけることに繋がる研究や活動を行っていきたいと考えています。そのために、博士の学位を取得し、研究者として独り立ちできるスタートラインにまず立つことが、今の切実な目標です。特に印象深いのは、自ら企画して女子高校生向けに自分たちの研究をテーマにしたワークショップを行ったことです。高校生と触れ合うことで改めて研究の楽しさを実感しました。また、同じ理系で頑張っている大学院生の方々との出会いはとても刺激になりましたし、自分の生き方が後輩たちのとってのロールモデルとなることを願っています。海陸一体型の循環型社会の構築をテーマに海洋環境を改善すると共に、陸において海の資源を活用できる社会システムの構築を目指しています。学生時代について将来の夢・目標IRISの感想1999年 3月大阪府立生野高校 普通科卒業2003年3月大阪府立大学 工学部 海洋システム工学科卒業2004年5月~2005年2月 ハワイ大学自然エネルギー研究所 留学2006年3月大阪府立大学 大学院工学研究科 機械系専攻海洋システム工学分野 博士前期課程修了2006年4月~2010年2月 株式会社 栗本鐵工所 勤務▪黒田 桂菜 KURODA KANA工学研究科 航空宇宙海洋系専攻 海洋システム工学分野博士後期課程2年第一希望から始まった大学生活ではありませんが、多くの出会いとチャンスに恵まれた大学生活を送ってこられたと思います。大切なことは、自分で限界を決めないこと、そして自分の心の声に素直に従い、行動する勇気を持つことだと思います。後輩へのメッセージ

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