IRIS活動報告2012学生版
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10小さい頃から、生き物が大好きな子どもでした。休みのたびに、各地の動物園や水族館に連れていってもらったことを覚えています。ですから、進路を決める際に、生物に関する研究をしてみたいと考えたのは、本当にごく自然な流れだったように思います。特に私の生物に対する興味をより深め、研究の面白さを知るきっかけとなったのが、高校のときに、通常の生物の授業に加えて実験・観察を中心とした選択授業を受講したことです。受講したのは学年で数人だけの、とてもアットホームな授業だったのですが、イカの体表に棲む細菌の培養や、校内の植物標本づくりなど、とにかく次の実験は何をするんだろう?と毎週ワクワクしていたのを覚えています。当時の記憶が私の研究の原点ですね。私の所属する研究室では、再生医学や組織工学に関連した動物細胞の培養技術と、これらに付随する生体材料、バイオマテリアルの研究を行っています。細胞は目に見えないぐらい小さなものですが、実は周りの環境に合わせて様々な応答を起こしています。細胞と細胞がさらされる環境(=生体材料、バイオマテリアル)の側面から、社会に必要とされる新しい技術や方法を開発するための研究を行っています。将来に限った話ではないですが、常に好奇心を持って、全方位にアンテナをはり続けられる研究者になりたいです。そのためには、自分の研究分野に関連した分野だけに特化するのではなくて、時には分野の垣根すら越えた柔軟な発想力をもつことが必要だと考えています。そこで重要となってくるのが、コミュニケーション能力です。人の研究を知り、また自分の研究を人に知ってもらう。この能力をより磨くのが、当面の目標です。特にその中でも、プレゼンテーションは限られた時間で、いかに自分の言いたいことを分かりやすく伝えられるかを試されます。学会やシンポジウムだけでなく、様々な場でたくさんの人々の発表を聞き、また聞いてもらうことで能力を高めていければいいなと思っています。私は来年度から博士後期課程に進学するのですが、研究者としては、やっと土俵の隅っこに立てるような感じがしています。まだまだこれからですね。最初、活動内容を聞きこれだ!と思いました。近年の子どもたちの理科離れは、彼らだけの責任ではないと私は考えています。IRISの活動が、一人でも多くの子どもたちに科学の面白さを伝えることが出来ればと思っています。学生時代について将来の夢・目標IRISの感想「好きなこと」はありますか?ない人はまず、好きなことを探すところから。ある人は、そこに向かって突き進んでいけば良いと思います。好きこそものの上手なれ。きっとその先に、「やりたいこと」が待っています。後輩へのメッセージ羊毛やヒトの毛髪などの主成分であるケラチンを利用した足場材料の可能性を追求することで、廃棄資源を利用したバイオマテリアルの開発を行っています。2004年3月奈良県立奈良高校卒業2010年3月大阪府立大学 理学部 生物科学科卒業▪尾崎 由季 OZAKI YUKI理学系研究科 生物科学専攻 細胞組織工学分野博士前期課程2年

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