元気!活き生き 大坂府立大学ロールモデル集
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はたから見ると、大変そうに見えますが、自分で考えたことをどうしたら実現できるか、実際に研究し、思い通りにいくと楽しいです。ですから、周りが思うほど本人は大変とは思っていません。息抜きはしますが、家や通勤途中などで、新しいアイデアを思いつくこともあります。今は結婚して9か月です。独身時代は実家から通っていたので、家事などはしていませんでした。結婚後は、家事は主に私がしています。、私は帰りが遅くなったり、学会等で出張も多いですが、夫は批判するようなことは言わず、協力的なので助かります。 また、家事も一つの気分転換ととらえています。特に料理は化学の実験に通じるものがあり、楽しみながらやっています。夫も機嫌よく食べてくれるので、味も大丈夫みたいです。また、学校に近いところに住むことで通勤時間を短くし、時間を有効に使うようにしています。 おてんばな子どもでした。子どもの頃は、両親が教師でしたので、漠然と教師になりたいと思っていました。高校生の頃に、小児科や産婦人科の医師か、青年海外協力隊などの医師団に参加して弱い人の助けをしたいと思い、理系を選択しました。受験では、医学部は玉砕してしまいましたが、大阪府立大学のパンフレットを見て、薬のカプセルの研究を目にし、医療に近いという理由で工学部機能物質科学科を選びました。第一希望ではなかったので、立ち直るまでに時間がかかり、学部生の頃はアルバイトに精を出していました。当時はジャンケンで研究室が決められていたので、希望の研究室に入るために、3回生で飛び級制度を利用し、大学院へ行きました。大学院博士前期課程では、薬のカプセルの研究をしていましたが、博士後期課程では、材料だけでなく生物の勉強もしたいと思い、京都大学生命科学研究科に編入しました。それまでの研究とは異なる分野でしたので、人一倍勉強が必要でしたが、全て新鮮な経験でしたし、違った視点で元の学問領域を見直すことで再発見もできました。材料科学と生物の両方の知識と経験を持っていることが、現在の大きな武器になっています。 博士後期課程修了後、大阪府立大学の出身研究室へ戻り、助手になりました。そのころ、3か月間アメリカのMRIイメージングの研究室に留学し、研究材料を動物レベルで解析する経験もしました。その後、大阪府立大学のテニュア・トラック教員になりました。現在の研究テーマは、化学、生物、物理、医学、薬学など色々な知識を融合した次世代バイオマテリアルの作製です。効いてほしいところまで薬を運んで溶けるような薬のカプセル、例えば癌細胞のところだけで溶ける抗がん剤のカプセルを作りたいと思っています。 基本的に、研究者の仕事は好きでないと続かないと思います。自分で考えたことを、どうしたら活用できるか、実験し、作り、思い通りにいくと楽しい。私は医師ではありませんが、医師とは異なる角度で、医療の発展に寄与したいと思います。研究以外の仕事としては、研究室の運営、学生集めや研究の指導、外に向けての学会発表や研究費の獲得など全て一人で行っており、非常に大変ですが、やりがいがあります。家事20%趣味10%仕事65%その他5%Personal HistoryWork Life Balance好きなことを見つけてほしい。ある意味、仕事は自分の時間を売っていることだと思います。いやいやするより、好きなことをする方がいいですね。趣味でもなんでも好きなことを見つける。「好きこそものの上手なれ!」で、人生が豊かになるのではないでしょうか。それが理系の研究だといいですね。子育てをしてみたいと思います。子どもには、何かに興味を持ってやってもらえると嬉しいです。研究に関しては、今は、細胞や動物レベルですが、臨床応用や実用化に発展させたいです。ハードルは高いですが、コンセプトの提案ができたらと思います。どこに着目するかが研究者の個性が出るところですので、あっと驚く発想を提案したいですね。2011結婚◦学生時代(〜2005)◦社会人時代(2005〜)◦学生時代◦社会人時代将来の目標・夢Dream後輩へのメッセージMessage〜1999大阪府立大学(飛び級の為)中途退学2005〜大阪府立大学助手2007〜大阪府立大学助教2009〜大阪府立大学特別講師(テニュア・トラック講師)〜2002大阪府立大学大学院博士後期課程中途退学〜2001大阪府立大学大学院博士前期課程修了〜2005京都大学大学院博士後期課程修了13

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