CAMPUS GUIDE 2018
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研究力研究成果に関するプレスリリース大阪府立大学大学院工学研究科 竹井邦晴助教の研究チームは、印刷で作製できる絆創膏のように柔らかい添付型のウェアラブルデバイスのプロトタイプを開発しました。このウェアラブルデバイスは、人の活動量や簡単な健康状態(心拍、皮膚温度)、紫外線量を計測することが可能です。今回、世界で初めて「印刷技術を開発すること」で柔らかいフィルム上に活動量(加速度)センサを形成する技術を実現し、従来の半導体センサ作製技術と比べ、多種センサの集積化と低価格化が可能になりました。この技術は、次世代の絆創膏型健康管理デバイスの実現だけでなく、モノや人がセンサを介してインターネットと繋がるIoT(Internet of Things)社会への貢献やデジタルヘルスとしてのツールとしても期待でき、医療費削減、孤独死、医師・看護師の負担軽減など、現状のさまざまな社会問題の解決につながる基礎技術といえます。1324絆創膏のように柔らかい添付型ウェアラブルデバイスの誕生― 世界初!印刷技術の開発によって活動量を計測するフィルム上のセンサを実現 ―詳しくはhttp://www.osakafu-u.ac.jp/news/publicity-release/pr20161124/大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の上田昇平助教と茨城大学農学部の坂本洋典研究員らは、 信州大学、九州大学との共同研究で、絶滅危惧種の日本産ゴマシジミ属のシジミチョウ(以下、ゴマシジミ属)がシワクシケアリ種内の特定の遺伝的系統のみを寄主とすることを明らかにし、このチョウの絶滅要因が寄主アリの激減によって起こる可能性を示しました。これまでのDNA解析の研究で、日本産ゴマシジミ属(ゴマシジミチョウとオオゴマシジミチョウ)の寄主アリ(シワクシケアリ)が、形態的な差異が見いだせない4つの遺伝的系統に分化することが分かっていたため、本研究ではゴマシジミ属の幼虫が「どのアリ系統に寄生するか」を調査しました。その結果、ゴマシジミとオオゴマシジミの幼虫はそれぞれ異なるひとつのシワクシケアリ系統のみに寄生しており、絶滅が最も危惧されるゴマシジミ属の発生地では特定の遺伝的系統の寄主アリが激減し、別の系統のアリが生息していること(ゴマシジミ属と寄生アリの相関性)が判明しました。つまり、絶滅危惧種のゴマシジミ属の保全のためには、寄主アリ系統に好適な環境の保全・復元に取り組むことが重要であることが明らかになりました。アリの巣に寄生するチョウの絶滅要因が明らかに― 絶滅要因は蟻にアリ?! ―詳しくはhttp://www.osakafu-u.ac.jp/news/publicity-release/pr20161207/2016年11月24日プレスリリース大阪府立大学および阪南市他の共同研究プロジェクトが、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)が進める戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)における平成28年度新規プロジェクトとして採択されました。採択されたプロジェクト概要は「漁業と魚食がもたらす魚庭(なにわ)の海の再生」。大阪湾で獲れる魚を軸に、魚あらのリサイクル、子どもに向けた漁師や漁業像のアピール、近海魚を使ったメニュー開発などを多世代共創で進め、大阪湾でヒト・モノ・カネがサステイナブルに好循環する地域モデルを、大学と行政が協働して創る取り組みです。本公募があった6つの研究開発領域・プログラムのうち、「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域として採択されました。魚の生産から消費に至る各プロセスにおける多世代共創活動とその相乗効果による、「魚庭(なにわ)の海の再生」に向けた大学と行政の共同研究プロジェクトが始動します。魚庭(なにわ)の海の再生プロジェクトが始動― 大阪府立大学と阪南市他の共同研究が採択 ―詳しくはhttp://www.osakafu-u.ac.jp/news/publicity-release/pr20161115/2016年11月15日プレスリリース生命環境科学域 附属 獣医臨床センターの島村 俊介 准教授の研究グループは犬の自律神経の活動状態を心拍変動から評価できる解析手法を開発しました。これまで、人と同様に犬の心拍変動から自律神経機能を評価する試みが行われてきました。しかし、人と比べて安静時呼吸数が小さく呼吸数変動や個体差が大きい犬においては、周波数領域を指標とする心拍変動の解析は困難とされてきました。本研究では、周波数領域指標とは異なる時間領域を指標とした心拍変動解析に着目し、犬におけるプロットの分布変動を解析するシステムを開発しました。その結果、人為的な安静あるいは緊張状態においた犬の心拍情報から、安静あるいは緊張といった「犬の心の状態」を評価することができました。このような動物の状態を解析するシステムは、犬の心的状態やストレスを人間が理解するためのツールとなり得ます。また、長期にわたって観察することで体調の変化をいちはやく察知することができれば、犬の健康管理や疾病の早期発見、治療の評価などの獣医医療分野への応用が期待されます。世界初!犬のストレス状態をリアルタイムに評価する解析手法を開発― にけ助手るす解理を」 態状の心「 の犬愛 ―詳しくはhttp://www.osakafu-u.ac.jp/news/publicity-release/pr20170218/2017年2月14日プレスリリース2016年12月7日プレスリリース(2016年度 大阪府立大学webサイト プレスリリースより)Research capacity 63

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