プレスリリース

ミクロな穴とナノ突起構造にウイルスを光で誘導し検出感度を倍増

更新日:2017年1月6日

―医療現場や食品メーカーでのウイルス・細菌検査の低コスト化に期待―

大阪府立大学キープロジェクト(注釈)「LAC-SYSプロジェクト」の飯田-床波グループの研究チーム(吉川貴康 大学院生、田村守 特認助教、床波志保 准教授、飯田琢也 准教授)は、ウイルスや細菌などの検体を光検出できる多細孔型バイオセンサの表面に乱雑なナノ突起構造を付与することで感度を倍増し、さらに検体を突起先端にレーザー光で誘導して検出効率を向上できることを世界に先駆けて解明しました。

(注釈)大阪府立大学キープロジェクトとは2016年6月に大学が認定した、大学の顔となる4つのプロジェクトであり、本研究はその一つであるLAC-SYSプロジェクト(飯田-床波-中瀬グループ)の成果の一部である。

研究成果のポイント

  • ナノ突起構造中の電子の鏡像効果で従来の多細孔センサの2倍近い感度が可能に
  • 高感度部位でもあるナノ突起構造近傍に局在した光で検体を誘導して検出効率を向上
    ⇒ 2ステップでの高感度検出の実現に期待
    ⇒ 本研究では高価な装置を用いずに、自己組織化でナノ突起構造を簡単に作製できるため医療現場や食品メーカーでのウイルスおよび細菌の検査の低コスト化にも貢献

光の波長程度のサイズの細孔を多数有する金ナノ薄膜(ナノホールアレイ)の表面にナノ突起構造をランダムに形成したセンサを用いて、ウイルスを突起先端に光で誘導し、光学的な検出感度を倍増する新原理を解明しました。

本研究では、ナノホールアレイの表面に突起をデザインして形成することで透過波長を制御でき、またウイルスが突起に接近した時に生じる鏡像効果によりピークシフトが大幅に増大する可能性を示しました。さらに、突起先端に強く局在した光がウイルスを引きつけることも示し、2ステップでの高感度検出の可能性を見出しました。このようなナノ突起構造は高価な装置を用いず、自己組織化で簡単に作製でき、医療現場や食品メーカーでのウイルスおよび細菌の検査の低コスト化も期待できます。

なお、本研究成果は米国化学会の論文誌である「The Journal of Physical Chemistry Letters」にオンライン公開されました。

研究概要図

研究概要図

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公立大学法人大阪府立大学
理学系研究科 物理科学専攻
准教授 飯田琢也
特認助教 田村守
Tel 072-254-8132 Fax 072-254-8132
Eメール  t-iida[at]p.s.osakafu-u.ac.jp/m-tamura[at]p.s.osakafu-u.ac.jp
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