プレスリリース

2つの機能を併せ持つ新しい触媒材料の合成に成功

更新日:2016年11月26日

公立大学法人大阪府立大学の研究チーム(山田幾也テニュア・トラック講師、池野豪一テニュア・トラック講師、塚崎裕文研究員、森茂生教授ら)、国立大学法人東京大学生産技術研究所の八木俊介准教授、公益財団法人高輝度光科学研究センターの河口彰吾研究員、冨士ダイス株式会社の和田光平氏らは、酸素の還元・発生という2つの電気化学反応に対して優れた触媒特性を示すマンガン酸化物の合成に成功しました。酸素の還元・発生は、次世代蓄電池として開発が行われている金属・空気二次電池の充放電を担う電気化学反応です。金属・空気二次電池の実用化にあたり酸素の反応を効率的に制御することは不可欠であり、将来の材料開発の指針構築へ繋がる成果となります。

研究成果のポイント

  1. 安価なマンガンの酸化物が、金属・空気二次電池の充放電を担う2つの電気化学反応(酸素の発生と還元)において優れた触媒特性を示すことを明らかにしました。
  2. 四重ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造において、従来のマンガン酸化物と比べて性能(酸素発生反応に対する触媒活性)が最大で約30倍に向上することが分かりました。
  3. 酸素の還元・発生という両方の電気化学反応に対して高い触媒性能をもつため、金属・空気二次電池の実用化に大きく貢献します。

用語解説

四重ペロブスカイト酸化物

ペロブスカイト酸化物(従来型のペロブスカイト酸化物・化学式:ABO3)は、金属酸化物で広範に見られる結晶構造です。A・B(Aサイト・Bサイトと呼ばれます)にそれぞれ異なる種類の金属元素が存在し、主にBサイトに含まれる遷移金属元素が機能の発現を担っています。四重ペロブスカイト酸化物はAA’3B4O12の化学式で表記され、単純ペロブスカイトの4倍の化学式で表記されることが、名称の由来となっています。四重ペロブスカイトCaMn7O12、LaMn7O12は、A’・Bサイトがいずれもマンガンで占められた化合物です。

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本研究成果は2016年11月25日に、「Advanced Materials」のオンライン版「Wiley Online Library」で公開されました。
論文タイトル:Bifunctional oxygen reaction catalysis of quadruple manganese perovskites

お問合せ先

大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ナノ科学・材料研究センター
テニュア・トラック講師 山田 幾也
Tel 072-254-9817
Eメール i-yamada[at]21c.osakafu-u.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。