大阪府立大学

世界中から集まった200超の論文の中から本学教員が国際会議ICCEで最優秀論文賞を受賞

更新日:2017年12月21日

 

最優秀論文賞を受賞した記念撮影大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 林 佑樹 助教と瀬田 和久 教授のグループの発表した論文が、12月2日~8日にニュージーランドのクライストチャーチで開催された国際会議「The 25th International Conference on Computers in Education」(以下、ICCE)(解説1)で「Best Overall Paper Award(解説2)」を受賞しました。

この論文は、北陸先端科学技術大学院大学の池田満 教授との共同研究で実施されたもので、世界中から厳正な査読を受けて採択された200超の論文の中から最も優れた論文に選ばれました。

受賞論文の概要

本研究はヒトの頭の中で行われる潜在的で形のないメタ認知活動を視線から捉え、学習活動の促進につなげるシステムの開発に取り組んだもの。このような試みは世界的に見ても先進的。加えてシステム開発だけに留まらずに、このようなシステム開発のための一般フレームワークを構築したことが高く評価された。

論文タイトル

「Framework for Building a Thinking Processes Analysis Support System: A Case Study of Belief Conflict Thinking Processes」

著者

大阪府立大学 林 佑樹 助教、 瀬田 和久 教授
北陸先端科学技術大学院大学 池田満 教授

林助教のコメント

この度はこのような栄誉ある受賞をいただき、大変嬉しく思っております。

「ヒトのメタ認知的な思考:考えていることを考える」活動を視線から捉えられないか、という本研究の基本的なアイデアを得たのは3年前になります。その後のチャレンジは必ずしも順風満帆とはいえませんでした。情報システムの形として具現化し、システム利用・改善の一連の作業という失敗の繰り返しから、学術的成果として評価される一般的フレームワークを提案するまで、多くの時間を要しました。

この国際会議ICCEは、私が修士課程のときに「学生最優秀論文賞(ICCE2007 Best Student Paper Award)」にノミネートされたにも関わらず受賞に至らなかった因縁の会議です。10年の歳月を経た今回の受賞は、悔しい思いをした私自身にとって忘れ物を取り戻したような気がします。

この受賞をバネとして、より深みのある成果を出せるよう、研究活動に励んでいきたいと思います。

用語解説

解説1 ICCE

年に1度行われるコンピュータの教育利用に関する伝統ある国際学術研究集会で、今回が25回目の開催となります。

解説2 Best Overall Paper Award

今年度採択された全213件の論文のうち、最も優れた論文1件に対して贈られる栄誉ある賞です。

お問い合わせ

大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科

助教 林 佑樹

Tel 072-254-9672