本学教員の論文が日本航空宇宙学会で論文賞を受賞
更新日:2022年3月28日
工学研究科 航空宇宙工学分野の小木曽 望 教授、上林 恵太 さん(当時 博士前期課程 2年)らの研究グループの論文が、第31回「日本航空宇宙学会賞(論文賞)」を受賞しました。
日本航空宇宙学会賞は、日本航空宇宙学会が航空宇宙工学と航空宇宙産業の発展を奨励することを目的とし、論文賞、技術賞、奨励賞の3賞を設け、1991年度から毎年、発表された論文や新しい技術を表彰しているものです。今回の論文賞は、過去3年間に発行された論文を対象としたもので、小木曽 教授の論文を含む2件が選ばれました。
論文タイトル「Multiobjective topology optimization for a multi-layered morphing flap considering multiple flight conditions」
著者(所属は論文発行時)
- 上林 恵太(大阪府立大学)
- 小木曽 望(大阪府立大学)
- 山田 崇恭 氏(京都大学)
- 泉井 一浩 氏(京都大学)
- 西脇 眞二 氏(京都大学)
- 玉山 雅人 氏(宇宙航空研究開発機構)
研究者のコメント
工学研究科 航空宇宙工学分野 教授 小木曽 望
本論文は、航空機の燃費向上や騒音削減のために提案されているモーフィングフラップの内部構造の形態設計に関する論文で、筆頭著者である上林 恵太 さんの修士論文の一部です。この論文では、リブを多層構造化する形態を提案した点、その内部構造に一体構造化できるコンプライアント機構を適用した点、その最適な形態をトポロジー最適設計によって求めた点、さらには多目的最適設計を適用して異なる形状(揚抗比最大化形状と揚力係数最大化形状)を達成できる点が評価されました。
この研究を遂行するにあたり、トポロジー最適設計に関しては京都大学の西脇先生、泉井先生、山田先生(現在 東京大学)の指導をいただきました。西脇先生、泉井先生にはコンプライアント機構を用いてモーフィングフラップを実現するためのトポロジー最適設計問題の定式化の指導をいただき、山田先生には「多層型モーフィングフラップ」の解析モデル構築に関するアイデアを出していただきました。また、JAXAの玉山 氏にはモーフィングフラップの実用化に関して指導をいただきました。
当研究室では、この成果をあげる前の数年間にわたり、効率的な多目的最適設計問題解法の構築、空力面からの最適なモーフィング翼形状の解法の構築、モーフィング翼のトポロジー最適設計に関するさまざまな成果やノウハウの積み上げをしてきた卒業生、修了生の研究成果があり、この論文賞に結びつきました。その過程において、様々なヒントをいただいた国内外の多くの研究仲間に感謝いたします。
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献しています。
本研究はSDGs17のうち、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」、「13:気候変動に具体的な対策を」に貢献しています。
関連情報
お問い合わせ
大阪府立大学 大学院 工学研究科
教授 小木曽 望
Eメール kogiso[at]aero.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。