大阪府立大学

10秒で新型コロナウイルスの感染価を1万分の1に低下させる強い抗ウイルス活性を示した貝殻カルシウム水(ShellCoat)!

更新日:2021年12月23日

本学 大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻 山崎 伸二 教授/アジア健康科学研究所 所長/大阪国際感染症センター 所長と株式会社かわかみ(代表取締役 川上 大雄)の山下 泰治らの研究グループは株式会社かわかみの製品である特許取得焼成カルシウム製剤(シェルコート)(解説1)が有機物存在下・非存在下における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗ウイルス活性について調べました。

その結果、焼成カルシウム製剤(シェルコート)で10秒間処理することにより、SARS-CoV-2の感染力価(%)(解説2)を1万分の1以下に低減できること、有機物(20%胎児牛血清:唾液の8倍のタンパク質濃度)存在下でも同様の低減効果を発揮できることが明らかとなりました。食品添加物として認められている焼成カルシウム製剤(シェルコート)は、有機物存在下においてもSARS-CoV-2に対して強い抗ウイルス活性を示し、食品を取り扱う現場を含め新型コロナウイルス感染症の制御に役立つことが期待されます。

本研究成果は、学術雑誌「Biocontrol Science」に2021年11月06日付けで受理されました。

本研究のポイント

  • 貝殻カルシウム水で10秒間処理することにより、SARS-CoV-2の感染力価を1万分の1以下に低減
  • 有機物存在下でも貝殻カルシウム水で10秒間処理することにより、SARS-CoV-2の感染力価を1万分の1以下に低減

SDGs達成への貢献

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大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献しています。

本研究はSDGs17のうち、「2:飢餓をゼロに」「3:全ての人に健康と福祉を」に貢献しています。

用語解説

解説1 特許取得焼成カルシウム製剤(シェルコート)

私たちが普段口にしている素材のみで構成した除菌剤。内容成分(特許配合)は焼成カルシウム(表記上は水酸化カルシウム)、乳酸等。

解説2 感染力価(%)

細胞に感染するウイルス数の指標

関連情報

お問い合わせ

大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科

教授 山崎 伸二

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