大阪府立大学

AIによる自動操船の実船試験に成功

更新日:2020年12月21日

練習船「深江丸」

試験を実施した練習船「深江丸」

本学大学院 工学研究科 航空宇宙海洋系専攻 海洋システム工学分野の橋本 博公 教授は、日本郵船グループの株式会社MTIおよび株式会社 日本海洋科学、国立大学法人 神戸大学と共同で研究を進める「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」の一環として、2020年12月8日~10日に大阪湾においてAIによる自動操船の実船試験を実施しました。

実船試験では、研究代表者の橋本教授らが開発した自動操船AIを用いて操船制御を行いました。これは、深層強化学習である深層Q学習と航海シミュレーションを組み合わせ、膨大な回数の試行学習を通じて、衝突回避のための行動方策を習得したものです。開発した操船支援システムは、レーダー・AIS(船舶自動識別装置)などのセンサーにより取得した船舶操船空間の情報をAIに入力し、変化する周辺状況に応じて最適な針路を選択、その針路をオートパイロットに伝送することにより操船制御を行います。

今回、神戸大学大学院 海事科学研究科附属練習船「深江丸」のオートパイロットとAIによる操船支援システムを接続し、大阪湾において3日間におよぶ実船試験を実施しました。開発した自動操船AIは、多くの船舶が行き交うふくそう水域の大阪湾において、航行中の他船や障害物に対して、安全な航過距離を確保しつつ避航操船を行うことが確認されました。

「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」とは、国土交通省総合政策局 平成30年度「交通運輸技術開発推進制度」採択課題です

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工学研究科 航空宇宙海洋系専攻 海洋システム工学分野

教授 橋本 博公

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