2019年度JST戦略的創造研究推進事業(さきがけ)に、本学研究者による研究課題が4件採択
更新日:2019年10月10日
科学技術振興機構(JST)2019年度 戦略的創造研究推進事業(さきがけ)に、大阪府立大学大学院工学研究科から中川 智皓 准教授(機械系専攻)、薄 良彦 准教授(電気・情報系専攻)、末吉 健志 准教授(物質・化学系専攻)、岡田 健司 助教(物質・化学系専攻)の研究課題が採択されました。
「さきがけ」は、我が国が直面する重要な課題の克服に向けて、独創的・挑戦的かつ国際的に高水準の発展が見込まれる先駆的な基礎研究を推進し、新技術シーズを世界に先駆けて創出することを目的としており、本学の掲げる基本理念「高度研究型大学―世界に翔く地域の信頼拠点」に合致するものです。
また、本年度は採択件数、採択率(応募件数が5件以上の機関)ともに公立大学としてトップの結果であり、教員数あたりの採択件数も国内の大学の中で3位となりました。これは、本学が種々の取組によって研究者の支援を行ってきた成果といえます。
採択概要
中川 智皓(工学研究科 機械系専攻 准教授)
戦略目標 | ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化 |
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研究領域 | 人とインタラクションの未来 |
研究課題名 | パーソナルモビリティのための自動運転技術の開発 |
研究総括 |
暦本 純一 氏(東京大学 大学院情報学環 教授/株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 副所長) |
研究期間 | 2019年10月~2023年3月 |
領域内採択率 | 9.3%(応募107件中、採択10件) |
研究課題のポイント
パーソナルモビリティ・ビークル(PMV)の自動運転の適用にあたっては、PMVの車両力学に加え、操縦者のダイナミクスを考慮した制御が重要となります。ここでは、人間の操縦(意図あり)/乗車(意図なし)の違いを解明すべく、三次元動作解析装置を用いた運動取得およびマルチボディダイナミクスを用いたモデル化を行います。
運転主体が人間側、システム側の2つの自動運転レベルに分けて、自動運転制御を構築します。
薄 良彦(工学研究科 電気・情報系専攻 准教授)
戦略目標 | 数理科学と情報科学の連携・融合による情報活用基盤の創出と社会への展開 |
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研究領域 | 数学と情報科学で解き明かす多様な対象の数理構造と活用 |
研究課題名 | データ駆動型クープマン作用素による非線形力学系の解析と設計 |
研究総括 | 坂上 貴之 氏(京都大学 大学院理学研究科 教授) |
研究期間 | 2019年10月~2023年3月 |
領域内採択率 | 13.8%(応募80件中、採択11件) |
研究課題のポイント
エネルギー、環境などの様々な社会的課題の解決には、対象となる複雑現象を解析し理解するのと同時に、解決に必要な機能を有するシステムを設計することが求められます。
本研究では、この解析・設計に関する数学的基盤として非線形力学系に対するクープマン作用素に着目し、クープマン作用素のスペクトル構造を作用素論や函数論等の方法により特徴付けた上で、この構造に基づいてデータから解析・設計を行う方法論を開発します。
末吉 健志(工学研究科 物質・化学系専攻 准教授)
戦略目標 | 細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御 |
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研究領域 | 生体における微粒子の機能と制御 |
研究課題名 | エクソソームの由来判別・生体内動態解析のための粒子径分級およびアプタマータグ選抜・解析法の開発 |
研究総括 | 中野 明彦 氏(理化学研究所 光量子工学研究センター 副センター長) |
研究期間 | 2019年10月~2023年3月 |
領域内採択率 | 9.1%(応募110件中、採択10件) |
研究課題のポイント
エクソソーム粒子径分級のため、マイクロ流路とナノ流路構造を組み合わせたナノ粒子分級デバイスを新規開発します。
また、培養細胞由来試料の粒子径分級後に得られたエクソソームに対して、電気泳動フィルタリングに基づくアプタマー選抜デバイスを用いて、細胞種に固有のアプタマーを採取します。
さらに、アプタマー配列の総合的情報が数値化されたアプタマータグについて機械学習的解析を行い、由来細胞判別を実現します。
岡田 健司(工学研究科 物質・化学系専攻 助教)
戦略目標 | ナノスケール熱動態の理解と制御技術による革新的材料・デバイス技術の開発 |
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研究領域 | 熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御 |
研究課題名 | 結晶性ナノ多孔質材料を用いた熱輸送の理解と能動的制御 |
研究総括 | 花村 克悟 氏(東京工業大学 工学院 教授) |
研究期間 | 2019年10月~2023年3月 |
領域内採択率 | 15.3%(応募59件中、採択9件) |
研究課題のポイント
分子・ナノレベルの規則的で方位の揃った細孔、骨格を有する金属有機構造体(MOF)が実用レベルにおいてもその構造規則性を保った配向薄膜を駆使することで、分子・ナノレベルの「構造」と「熱物性」の相関を明らかにします。
そして、「分子・ナノレベルでの熱挙動の理解」を基盤として、実用サイズでの「スペクトル分解した指向性熱輸送」、「熱輸送方向のスイッチング」等の自在な熱制御を目指します。
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