映画上映・ワークショップ「フェミニズムのバトンをつなぐ」を開催
更新日:2015年10月22日
2015年10月15日(木)女性学研究センターは2015年度男女共同参画事業として、ドキュメンタリー映画「何を怖れる」の上映会とワークショップ「フェミニズムのバトンをつなぐ」を開催しました。
「個人的なことは政治的である」というスローガンのもと、フェミニストと名乗り「逆風」の中を進んで来たフェミニズムの第1世代の軌跡を描く映画が上映された後、第1世代の旗手で出演者のおひとりである上野千鶴子さんのトークと、上野さんを囲むワークショップが展開されました。
会場には本学の学域生、大学院生、教員のほかに中百舌鳥近辺の方、府外から来られた方など、さまざまな地域と年齢層の約90名が来場。映画上映後に上野さんを壇上にお招きし、フリートークを展開していただきました。「参加者と双方向のやり取りをしたい」という上野さんのお声掛けで参加者に映画の感想や上野さんへの質問などを募ったところ、当初の予定時間におさまらないくらい活発に意見がかわされました。
会場を移して開催された事前申込み制のワークショップではスライドを使った上野さんのお話の後に、車座になりフリーテーマのディスカッションが始まりました。上野さんを前に、このまたとない機会を逃すまいと発言する参加者。そして切れ良く返答する上野さん、両者のざっくばらんな議論の様子が印象的でした。
上野さんは「今の男性は“自分は職場、女性には働いてもらいたいし家庭もきちんとしてほしい”と感じている。女性がさまざまな問題を持っているのは今も昔も変わらない。私たちは私たちの問題をこんな風に取り組んできたよ、という後ろ姿を見せることができるだけで私たちに続く世代の“現状をどうしたらいいですか?”という質問には答えられない。けれど今日のような意見交換を通して女性のバトンがつながってきたのだなと感じる。どんな戦い方をするかは自分で考えよう」と続く世代にエールを送られました。
イベント参加者の感想
日頃「女性学」について抱いている疑問を、上野さんに簡単かつ楽しく解説していただき勉強になりました。ワークショップ終了後は上野さんから元気を頂いたようで、その後の研究や学問にも力が入っています。(大学院博士前期課程1年生)
あの時代のフェミニストたちの生き方を知ることができて良かったです。女性学を学ぶということは「生き方」に関わっているのだと感じています。そして、正直に生きようと思いました。(大学院博士前期課程2年生)
映画に登場した日本のフェミニズムをけん引してきた女性たちが活躍した時代は、大変にエネルギッシュな機運があったのだと思います。経済が成長していき、個人が様々な頸木(くびき)から解放され自由になることで自立的な個人が育まれ、そのことが社会を良くしていくという時代と、経済成長が頭打ちとなり環境問題などの出現から“ある種”の有限性を意識せざるを得ない現代とでは、女性運動の在り方にも影響が出ているのではないかと思いました。(大学院博士前期課程1年生)
-
映画上映後のフリートークの様子
-
参加者の質問に返答される上野さん
-
ワークショップの様子1
-
ワークショップの様子2
お問い合わせ
大阪府立大学 女性学研究センター
Tel 072-254-9948