大阪府立大学

本学研究チームがアルマ望遠鏡でダイナミックな星の誕生を観測

更新日:2014年7月4日

本学大学院生の徳田 一起さん(大学院理学系研究科 博士後期課程1年)と大西 利和教授(理学系研究科)を中心とする研究チームは、国立天文台、合同アルマ観測所が南米チリで運用しているアルマ望遠鏡を用いた観測結果から、「星の誕生現場では星の卵となるガス塊が非常にダイナミックに運動している」ことを発見しました。これは、「ゆっくりとガス雲が収縮して星が生まれる」という従来のイメージを覆す、画期的な観測成果です。

本研究成果は今後、ガス雲から星形成の過程を明らかにするための重要なヒントとなる見込みです。

なお、国立天文台、大阪府立大学、合同アルマ観測所が発表機関となり、2014年7月3日(木)に東京 御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンターにおいて記者会見を行いました。徳田さんと大西教授が出席し、観測成果について解説しました。

観測結果をもとに描いた想像図に各部位の説明を重ねたもの(提供 国立天文台)

観測結果をもとに描いた想像図に各部位の説明を重ねたもの(提供 国立天文台)

解説

アルマ望遠鏡で観測したのは、おうし座のMC27/L1521Fという天体です。この天体は、星が生まれる瞬間に非常に近いガスの塊で、その中には生まれたばかりの星が見つかっていました。観測の結果、その生まれたばかりの星のすぐ隣で、星を持たない非常に濃いガス塊を発見しました。このガスの塊は星が誕生する直前の段階にあると考えられます。また、生まれたばかりの星から数十年から数百年前に放出されたガスのジェットも見つかり、成長途中の原始星であることが分かりました。生まれたばかりの成長中の「赤ちゃん星」と、もうすぐ星が生まれる「星のたまご」がすぐ隣に同居していたのです。多重星が誕生する現場を見ているのかもしれません。また付近には長く伸びたガス雲も見つかりました。2つ以上のガス塊がお互いに重力を及ぼしながら激しく移動した結果と考えられます。

こうしたダイナミックな星の形成の様子が観測でとらえられたのは、これが初めてです。

今回の観測結果は、 「ALMA Observations of a High-density Core in Taurus: Dynamical Gas Interaction at the Possible Site of a Multiple Star Formation」として、2014年6月11日発行の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に掲載されました。

【アルマ望遠鏡】

国立天文台が米欧と協力し、チリのアタカマ砂漠で運用中の望遠鏡。正式名称はアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)といい、究極の電波望遠鏡として大きな期待を集めている。

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