国際交流

大阪府立大学グローバル化戦略

大阪府立大学グローバル化戦略(2016年3月)

1. 新たなグローバル化戦略の策定にあって

グローバル化に向けたこれまでの取り組み

平成17年4月に公立大学法人大阪府立大学がスタートし、公立大学法人の草分けとして、「世界に通用する高度研究型大学をめざす」ことを目標として掲げ、「教育」、「研究」、「社会貢献」を中心に大胆な大学改革を進めた。翌年の平成18年には、「大阪府立大学の国際交流方針」を策定し、「国際ネットワークの形成」、「人の交流」、「国際貢献」の3つの観点からの行動計画を提案し大学のグローバル化を図り、「研究者交流」、「学術交流協定校の拡大」、「東南アジアへの国際貢献」等を推進した。

平成20年度からは、基本理念「高度研究型大学―世界に翔く地域の信頼拠点―」および大切にしたい視点として「多様」、「融合」、「国際」の3つを掲げ、一定の成果は挙がったものの、真のグローバル化はまだその途上にある。これを受け、平成26年に学長の諮問委員会が国際交流戦略素案「生き残りを賭けたバリアフリー戦略」を答申したところである。この素案では「事務職員のグローバル化」、「教員の教育研究活動のグローバル化」、「学生の国際移動の活発化」の3つを掲げ、キャンパスのトータルなグローバル化を提唱し、それに向けた「意識の向上とグローバル化に向けた支援体制の構築の必要性」が重要であると訴えている。

新たなグローバル化戦略の必要性

この10年で、欧米やアジアでは大学間の学生移動や交流が拡大し、多国間ネットワークによる研究や教育交流の活発化、単位互換、あるいはダブル・デイグリープログラムが拡充され、学生交流の多角化が推し進められている。一方、日本では海外への留学生が減少するなど、グローバル化から取り残される懸念が生じている。そのような中、本学が「知識基盤社会」や「イノベーション創出」の担い手となる「国際的な高度研究型大学」としてより一層発展するためには、大阪にある公立大学としての優位性を活かし、新たなグローバル化戦略を策定することが求められる。

2. グローバル化戦略の基本理念

「高度研究型大学―世界に翔く地域の信頼拠点―」の理念は、国際社会の発展に寄与する世界水準の研究を進めつつ、同時に地域の自治体や産業界と連携しつつ世界的な視野をもって行動できるリーダー育成を、「地域 ⇔ 国際」の双方向の観点から展開するものでなければならない。特に、アセアン地域諸国などアジアとの相互の国際交流をより一層進める必要がある。それが大阪という地域に立脚する公立大学法人の使命である。

新しいグローバル化戦略は次の3項目を基本目標として掲げ、その実現に向けた戦略を示す。

  1. 世界との多様な交流を通じ卓越した教育研究を推進し、その成果を国内外の社会に還元する。
  2. 持続可能な社会を構築するため、グローバルな視点および国内外の地域課題への対応能力の涵養をめざす。
  3. 大阪・日本の歴史、伝統および文化への理解を深め、かつ国籍、民族、宗教が異なる多様な人々を尊重し、交流できる人間を育成する。

この3つの方針は「教育」、「研究」、「社会貢献」として集約できる。これらを相互に有機的に関連させながらグローバル化を推進することが重要である。

3. グローバル化に向けた目標

3-1. 教育におけるグローバル化戦略

―国際性豊かなリーダーとなる人材の育成―

大学はまずもって教育機関である。本学はグローバルな視点と深い専門性を兼ね備えた国際性豊かなリーダーとなる人材を輩出する責務を負う。国際的に通用する教育を推進するために、海外で学位を取得した教員や外国人教員の導入、外国語運用力を向上させる授業の更なる強化、科目のナンバリング、授業の英語化等を促進する。同時に日本人学生の海外留学機運を醸成し、学生や教職員の国際移動性を高める派遣制度の充実を図る。国際交流会館(I-wingなかもず)などを活用し、国籍、民族、宗教が異なる留学生と日本人学生が共生するダイナミックな多文化交流空間の創出により、平和で持続可能な社会の形成者を育成する。

3-2. 研究におけるグローバル化戦略

―優れた研究成果に基づく国際競争力のある研究拠点の形成と情報発信―

大学は革新的な「知」を創出する拠点である。7つの研究科を有する本学は、国際都市大阪における知的創造を担う学術文化の中心的な役割を担っている。本学は世界をリードする学術研究を推進し、イノベーション創出力のある先進的研究を展開するため、国際的な大学間連携による共同研究の促進、大学院学生や若手研究者の海外派遣数の拡大、外国人大学院留学生の積極的な受け入れ等をさらに充実させる。また、優れた研究成果を挙げている国内外の著名な研究者を招へいし、英語による講演や研究指導を依頼し、可能な限りグローバル教員として積極的に登用する。かれらと共同する若手研究者の自由闊達な研究展開を保証し、人材の流動化と多様化、卓越した研究成果の発信により本学の研究の世界的な評価を高め、確固たる「国際的な高度研究型大学」となる。

3-3. 地域貢献と国際貢献

―「地域の信頼拠点」形成とグローバル化の促進―

本学は公立大学として研究成果と人材の輩出によって地域社会への貢献に努める機関である。「世界に翔く地域の信頼拠点」として、環境・エネルギー問題や食糧問題、医療・福祉問題などの諸課題に取り組むことで、地域社会ひいては世界への貢献を実現して行く。特に大阪・堺とアジアとの長い歴史的交流を活かし、アセアン地域諸国などアジアの大学との連携を強化する。「ものづくり」をキーワードとした産学官連携の強化に努め、国内外への技術移転も促進する。

多様な能力を備えた多国籍の研究者・学生が日々交流する国際性かつ学際性豊かな環境を作り出すことで、それぞれの専門分野の研究教育を深化させるとともに、複数の専門分野の有機的な融合による研究を拡充し、新たな学問分野の構築に邁進したい。

グローバル化戦略の具現化に向けた重点化ポイント

本戦略を具現化するためのアクションプランを策定するにあたって、大阪府立大学の持つ強みを活かして重点化すべきポイントは、次のとおりである。

1. 大阪府、堺市や近隣自治体の政策課題と対応した国際交流を推進する

  • 大阪府の国際化戦略(グローバル人材の育成プログラムや留学プロモーション事業など)と積極的に連携する。
  • 堺市の国際化推進プラン(「都市間交流」、「堺・アセアンウィーク」など)や近隣自治体の国際化施策と連携して地域と大学の国際化を推進する。

2. 地域社会との産学連携の実績を活かし、地域・産業牽引型のリーダー育成を推進する

  • 特に大阪の強みである「ものづくり」企業の世界展開戦略と提携した教育研究交流を強化する。(グローバルアントレプレナー育成プログラムなど)
  • アセアン地域諸国の大学との研究および留学やインターンシップを通じた学生の相互交流を積極的に進める。(自治体や地元企業と連携した留学生インターンシップなど)

3. 大学院の高度な教育研究力を活かして、国内外の優秀な学生を獲得し育成する

  • 国際的な高度な研究をより一層進め、留学生の受入れ、大学院生や若手研究者の国 際的な活躍を促進する制度を充実させる。(リーディング大学院など)
  • 工学研究科に続いて他の研究科でも英語を取り入れた授業を促進し、将来的に英語で学位を取得できることをめざす。(国際公募テニュアトラック教員の活躍など)
  • 留学生のキャリアサポートを充実させる。(留学生向け就活セミナーなど)

4. 上記1~3の基盤となる教育とキャンパスのグローバル化

(1)教育のグローバル化

  • 海外で学位を取得した教員や多様な国籍の外国人教員、ゲストプロフェッサーを積極的に登用する。
  • 学士課程での海外留学支援を強化する(奨学金、派遣プログラム、認定留学など)。外国語運用力を向上させるために授業を拡充する。(English Seminar、Call教室の各種講座、大学院でのアカデミックライティング・英語論文指導など)
  • 科目のナンバリング、授業の英語化(英語による授業など)を促進し、教育カリキュラムの国際化対応力を向上させる。
  • 入試方法の多様化や「特待生奨学金」の導入によって、外国人特別選抜入試の受験者や大学院進学者の増加をめざす。

(2)キャンパスのグローバル化

  • 国際交流会館(I-wingなかもず)などを活用してキャンパス内での日常的な多文化交流を活性化させる。
  • 海外在住あるいは海外経験のある卒業生、帰国留学生のネットワークを構築し活用する。(海外同窓会の設置など)
  • キャンパスのグローバル化を推進する教職協働組織を設置する。

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国際・地域連携課 国際交流グループ
Tel 072-254-9962