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平成25年度 辞令交付式における挨拶

2013年4月1日

 今年の桜前線はとても早く大阪まで来ましたので、本日の辞令交付式を祝福しているかのように、美しい花を咲かせています。
本日、本学の一員としてお迎えできる教職員の皆さんを歓迎し、大学を代表してご挨拶申し上げるわけですが、実は、私自身も、皆さんと同じように、本日辞令をいただいて理事長・学長の任に就くことになりますので、二つの立場を重ねて、挨拶させていただきます。

これまでの歩みと新しい課題

 本学を取り巻く状況には、かなり厳しいものがありますので、これからここでの働きに加わってくださる皆さんには緊張感があるかもしれませんが、それは私も全く同じです。
昨年4月には、難しい問題を乗り越えながら新しい学域制をスタートさせることができましたが、これは時代を先取りするような改革になったと考えております。短時間で計画を実行に移さなければなりませんでしたので、課題を残しながら現在に至っていることを認識していますが、本学がスタートさせた学士課程教育の質を保障し、さらに向上させるための改革については、さらに推進していくべきものと考えています。もちろんその結果が見えるようになるためには、ある程度の時間を要し、その評価は歴史にゆだねることではありますが、いま進んでいる道を変えてはならないと強く思っています。
2011年11月に、大阪府知事と大阪市長が新しく選出されたことに伴って、大阪府立大学と大阪市大との統合が“府市統合本部会議”における課題の一つにあげられて新大学構想会議が設けられ、そこから両大学の統合に向けた提言が出されたことは、ご存じのとおりです。私は、長い目で見ると、二つの大学が統合することは時代の要請とも考えており、これは真摯に受け止めるべきものであり、府立大学がこれまで経験してきた改革からみて、その延長線上にあるものと思っています。しかしながら、新大学構想会議の提言に示されたスケジュールでは、「新しい大都市制度の実現にあわせて」という条件が付されており、不透明な部分もある中で検討を進めなければなりません。4月中には、両大学の設立団体である大阪府・市から、この提言に沿った形で新大学のビジョン案が出される予定で、それを受けた形で、具体的な統合案をまとめることになります。文化や歴史の異なる二つの総合大学の統合であり、かなり難しい対応が迫られることになるものと考えています。どのような状況にも柔軟かつ迅速に対応できるように準備し、学内における議論を進めながら、現実的で、しかも学生や我々、さらに大阪にとって魅力ある大学にしなければなりません。皆さんのご理解とご協力を、切にお願いする次第です。

前進し続けること

 このような、難しい対応の問題はあるものの、大阪府立大学がこれまで進めてきた課題解決や取り組みについては、粛々と進めることが基本です。たとえば、今年は「創基130年」を迎えます。私は、その記念事業を、ひとつのチャンスとして捉え、さまざまな問題に取り組むことが良いと考えています。
“I-siteなんば”の開設は、本日(4月1日)午後に行う予定です。この新しい拠点を使った各種の事業を展開することで、結果的に地域貢献の中で取り上げている各種の課題に取り組むことができるはずです。また、国際交流会館(仮称)の完成は、ほぼ1年先になりますが、これを生かすためのプログラムを考えることで、留学生だけでなく、日本人学生も共に国際化に関する課題解決に向けて前進できると思います。11月3日には、創基130年記念のホームカミングデーを開催して、同窓会や後援会機能を強化することを考えたいと思っています。
大学としての基本的な使命である教育研究活動については、これまで以上にその充実していく必要があります。中でも、大阪府立大学が高く評価されているプログラムは人材育成の分野です。環境問題を考える人材育成、産業界で活躍する博士育成、女性研究者の育成、キャリアデザインを考えた人材育成などで、これらはすべて、大阪府立大学の教員や学生が持っている高いポテンシャルを証したものですので、さまざまな場を通して、我々の高い可能性を示していけると思います。

おねがい

 満開の桜は、日本を代表するものとして有名ですが、春になると最初に花が咲きます。咲くという言葉を複数にして“さくら”になったと言われ、突然、何もないところに花が咲くように見えるので、生命力の強さを表しているようです。命を表す言葉に“使命”と言う言葉があります。英語ではMission です。皆さんには、大学における自分の使命を考えていただきたいと思うのですが、“命を使う”と書きますので、Missionを遂行することは厳しいことなのかもしれません。よろしくお願いします。
これからの大阪府立大学を創っていくために、皆さんの力と知恵が必要です。私と一緒に歩んでくださることをお願いして、挨拶とさせていただきます。

理事長・学長 奥野武俊