大学案内

平成21年度 理事長・学長メッセージ

多様・融合・国際の3つの視点を大切に、新生大阪府立大学はセカンドステージへ 大阪府立大学 理事長・学長 奥野武俊

統合・改革そしてつぎのステージへ

  2005年4月、大阪府立大学・大阪女子大学・大阪府立看護大学が統合すると同時に法人化されて公立大学大阪府立大学が誕生しました。南努前学長のもとで多くの改革が行われましたが、法人化してこれほど多くの改革を遂げた大学は他にないと確信しています。

 さまざまな試みが、学科・学部の垣根を越えて行われ、キャンパスの姿も変わりました。とにかく、新しいことに取組み、それを実現できる大学という大阪府立大学のこれまでの伝統を、さらに進展させることができたと思います。

 ただ、大学を取り巻く社会・経済情勢が大きく変化している時ですから、さらなる改革が求められています。大学運営における柔軟性と行動力に大きな強みを発揮して、今こそセカンドステージへ大きく踏み出し、“優秀な学生を育て、教職員が力を発揮し、府民に愛される大学”として、世界に誇れる大学にしたいと思います。

キャンパスを多様な国際空間に

 大阪府立大学ではその基本理念である「高度研究型大学 -世界に翔く地域の信頼拠点-」を実現するために、大切にしたい視点として「多様」「融合」「国際」を掲げています。この3つは、それぞれが独立したものではなく、お互いに密接にリンクしています。

 生物の世界では、生態系の「多様」が非常に大切です。例えば沿岸域にしばしば発生する赤潮は特殊なプランクトンばかりが多くなる現象で、多様性が失われ、結果としてその領域が滅ぼされます。

 大学は、「多様」な文化の人々を受け入れ、教職員や学生と「融合」することなどを通して「国際」化を進める場所です。国際交流を進めると、考え方や習慣、食べ物などが異なる、いわゆる異文化を経験します。たとえお互いの考え方や育った文化が違っても、それを受け入れ、理解し合って協働することで新しいものを生み出すことができます。そのためにも、多様な人々が自由に交わるなかで、知的で文化的な刺激が得られる国際性豊かなキャンパスを実現したいと思います。

 大学にとって、国際交流は家に窓を作るようなものだと思います。窓のない家は息が詰まるような閉塞感が強いでしょう。外からの新鮮な風を取り入れ、新しい行動のエネルギーを生み出すためには、窓が必要です。「窓のある大学」これをキャッチフレーズにしたいと思います。

高いポテンシャルと新取の気風

 大阪府立大学は設立以来、教職員の高い志と資質に支えられ、我が国トップクラスの教育・研究拠点を目指してきました。実学とリベラルアーツの伝統に加え、組織的に整備されつつある教育体制と学生に対する手厚い指導に基づく教育力、および外部資金獲得実績にも現れている教員個々の高い研究力を見れば、未来に向けてのポテンシャルの高さを実感できます。

 最近では、このような潜在力を生かし、研究テーマを戦略的に設定したプロジェクト型の研究スタイルにも挑戦しています。学科や学部を越えて「環境」「エネルギー」「食」「ヒューマンケア」などの社会ニーズを起点とした研究を推進し、研究資源を重点投資することで、成果の創出を加速させる計画です。

 また、大阪・堺・河内・泉州という歴史ある地を基盤とする大学として、地域における存在感を高め、地域や産業界から信頼される存在とならなければなりません。そのためには、世界水準の「知」を世界に発信する拠点になる必要がありますが、大阪府立大学は世界への玄関口・関西国際空港に最も近く、その拠点にふさわしいと確信しています。

 教育研究を通して生れた「知」は大学にとっての大きな資源です。これを世界に向けて発信し、その結果をお互いに共有すること、それが大切です。また、「人」も大学の資源のひとつで、教職員や学生の交流そのものが、豊かな大学を育てる力になるはずです。日本をリードする「人」が持続的に巣立ち、広く世界に翔くことで、その証を立てることができると信じます。

2009年4月