大学案内

理事長・学長メッセージ

はじめに

理事長・学長 辻洋

 大阪府立大学は「高度研究型大学―世界に翔く(はばたく)地域の信頼拠点―」を基本理念と掲げ、質の高い研究を行うことにより教育の質を高め、さらに研究成果を産業界に還元し、また地域住民の方々の生涯学習を支援しています。世界に視点をおき、社会をけん引できる学生を育成することこそが地域の信頼を得ることになると考え、継続して大学改革を行っております。

 2012年に導入した「学域・学類制」とよぶ学士課程教育は、従来の学部・学科の間にあった学問領域の壁を取り除き、より幅広い学問分野が学べるようにしたもので、すでに卒業生を輩出し、いろいろな実世界に翔いています。本学の卒業生たちはそれぞれの専門性だけでなく、深い教養と幅広い知識や技能の重要性を理解し、社会のニーズに柔軟に対応して活躍してくれることと信じています。

理事長・学長として

 私は2015年4月に理事長・学長に就任しました。これまでの経験をいかして、教職員一同力をあわせて教育・研究・社会貢献に取り組み、リーダーシップのある学生を社会に輩出することに全力をあげています。

 少し自身を振り返りますと、2012年度の学士課程教育の改革にあたっては、現代システム科学域設置の責任者として、文理融合という理念の下、システム的思考を軸とした新学域の構築に尽力しました。新しい学域のカリキュラム編成に当たっては7研究科1機構からの教員が参画しましたので、多様な教員をまとめるには多くの解決すべき課題がありましたが、一つ一つ解決してまいりました。育てる人材像を明確にし、その教育に必要なカリキュラムを設計し、そのカリキュラムを受けるに相応しい学生を受け入れるための入学試験を行うよう徹底してきております。また、2013年度からは理事・副学長として、2015年からは理事長・学長として法人運営に関わり、主に大阪市立大学との連携・統合に関する問題、リーディング大学院「システム発想型物質科学リーダー養成学位プログラム」をはじめとする教育改革問題などに携わってきました。

 このような運営は決してひとりで実行できるものではなく、多くの教職員の協力が必要であったことは言うまでもありません。海外の先生に頂いたメッセージ「You are not alone in your role」というのは私の大切にしている言葉です。現場をよく把握してネットワークを作り、実世界にある課題を俯瞰的に見ることが重要であると考えてきました。多様な専門知識を融合して問題解決する力を養うことを重視する本学のあり方を在学生・卒業生・保護者の皆さまに誇りに思って頂けるよう邁進していきます。

垣根のない大学でできたつながりを大車輪に

 大学教育のグローバル化について、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化を基盤とすべきことが指摘されていますが、それに応えるためには何よりも幅広い教養が求められます。全学教員の参画を通して真の「リベラル・アーツ」を求めていくことこそ、グローバル化に対する道筋だと考えています。さまざまな国際交流を実施するにあたっては、学士課程教育改革で重視された文理の垣根を超える幅広い知を育むことが前提となり、広く世界を視野においた“つながり”を求めていきます。欧米諸国との“つながり”はもちろんのこと、アジア諸国との “つながり”、卒業生との“つながり”、地域との“つながり”をつないで、鎖(チェーン)とし、さらにそれを滑らかに走る車輪のような輪にして、本学がその中心(拠点)になって研究・教育・地域貢献していきます。つながりを創る場として、2013年に“I-siteなんば”とよぶ都心サテライトオフィス、2015年4月に“I-wingなかもず”とよぶ国際交流施設を用意しました。これらは、先輩方のご寄付により実現できたもので、教職員一同・学生全員が深く感謝するとともに誇りに感じています。

お願いしたいこと

 公立大学に求められている地域貢献について、これまで、産学官連携と呼ばれる分野を中心にし、研究分野の異なる複数部局の教員がそれぞれの専門知識を融合させるための本学独自の研究所方式(21世紀科学研究機構)が有効な成果を上げてきました。地域産業が必要としていることと本学で行われている様々な基礎研究内容をマッチングすることで、本学独自のオープン・イノベーション創出方式を開発しています。産業界の皆様にはぜひ本学の研究に忌憚のないご意見とご批判を頂ければと願っております。

 また、地域貢献の中のもう一つの柱である生涯学習や公開講座などについて、実施件数はこの10年で十分に増えたと考えており、これからは「量から質」への転換を図っていきます。特に、自治体や地域のNPOとの連携を考えた教育プログラムなどを通じて、学生と教職員が地域社会 との“つながり”を重視する、本学独自の地域連携モデルをめざしています。地域と一緒になって次世代の若手を育成していくためにいろいろな側面からご支援頂けますようお願いいたします。

 大阪府立大学は“垣根のない大学”です。在学生を支援する「後援会」、卒業生とのつながりをもつ「校友会」を組織したほか、本学の教育・研究・地域貢献を支援するための「つばさ基金」を用意しています。これらの活動を最大限利用して、住民の皆さま、本学の学生を採用してくださる企業の皆さま、本学と一緒に研究をしてくださる企業の皆さまなど、多くの方々、多くの組織とのつながりをつないでいくように大学を運営してまいります。新しい出会いが“つながり”を大きくし、知識・価値を産んでいく、このような大阪府立大学が皆さまから愛されることを大きな喜びとしています。ご支援を引き続きよろしくお願いいたします。

学長 辻 洋

メディア掲載記事など

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