大阪府立大学

研究戦略

研究戦略の概要

  • 複雑化する課題の解決のため、複合型かつ先鋭的な研究力が大学に求められている。
  • そのような背景を踏まえ、本学は地域発世界展開力のある高度研究型大学として、より一層の発展をめざす。
  • そのため、「多様」「融合」「国際」を重点化目標として掲げ、教職協働により目標実現をめざす。

研究戦略

大阪府立大学研究戦略 「高度研究型大学 ―世界に翔く地域の信頼拠点―」

1. 新たな研究戦略の策定にあたって

1-1 これまでの研究に対する取組みと研究組織の改革

創基130年以上の歴史を有する本学は、教育・研究のシナジー効果による「実学」と「リベラルアーツ」の伝統が息づき、「高度研究型大学 ―世界に翔く(はばたく)地域の信頼拠点―」の基本理念と、「多様」、「融合」、「国際」の三つの大切とする視点の下、長きにわたり研究者(教員)個々の研究力を高め、多くの研究成果を社会に還元するとともに、社会を牽引する有為な人材を輩出してきた。

更に強化するため、2005年の大阪府立の三大学の再編・統合と法人化を期に、すべての学部に対応する7つの研究科を新たに設置するとともに、「産学官連携機構」(後に「地域連携研究機構」へ再編)を立ち上げ、研究成果の還元により積極的に「社会貢献」の役割を果たしてきた。

また、バーチャル研究所として「21世紀科学研究所」(後に「21世紀科学研究機構」として部局化)を立ち上げ、分野・部局横断型の先駆的で挑戦的な研究を促進してきた。

1-2 更なる研究重点化の必要性

昨今、多国間の人の交流や物流の活発化、そして情報ネットワークの複雑化が進み、人を取り巻く環境は日々変化し続けている。また、文化・教育、科学・技術、産業・経済のそれぞれの研究領域の発展も目覚ましく、かつ深化し、相互に複雑に融合し合うことで新たな研究領域が生まれている。すなわち、人類の恒久的な平和と福祉への貢献を目指す上での様々な課題は複雑化してきており、その問題の解決には、地球規模の巨視的な観点が必要であり、複合型かつ先鋭型の研究力が、現在の大学には求められている。本学においてもこれまでの各研究科や「地域連携研究機構」、「21世紀科学研究機構」を通じて進めてきた体制を見直し研究戦略を検討する必要があった。

1-3 研究戦略本部・新たな機構の設立を通じた研究力強化の促進

大学としての研究の強みを分析し、研究力強化に向けた戦略的・組織的対応を推進するため「研究推進本部」を設置し、新たに研究戦略を検討することとした。

また、「地域連携研究機構」は「21世紀科学研究機構」と融合し、「研究推進機構」に再編した。研究推進機構では、「学域または研究科の枠を超えた分野(部局)横断的研究を一層推進することで、産業・経済・文化・教育に貢献する世界的拠点大学を築くこと」を目標としている。

研究推進機構を、本学の研究力強化のネオエンジンとして機能させることで、各研究科が相互に共調し合い横断的研究力を高めるとともに、地域連携と国際展開力をあわせもつグローカルな視点に立脚した「高度研究型大学」、すなわち、地域発世界展開力のある高度研究型大学としてより一層発展することをめざしていく。

2. 研究戦略

2-1 重点化目標

研究戦略では、これまで進めてきた「多様」、「融合」、「国際」の視点をさらに強化推進することとし、これらをキーワードとする3項目を重点化目標として掲げ、これらを教職協働により、包括的、かつ相互に有機的に連動させることで、地域発世界展開力のある高度研究型大学をめざす。

2-2 重点化目標のポイント

(1)「多様」:社会の課題に対応できる多様な研究力の構築

持続可能な社会の実現のため、基礎から応用までの様々な研究をダイバーシティの観点から発展的に展開し、独自性の高い研究をより促進させる。すなわち、学外も含めた研究者の英知の結集によりインキュベーションとしての萌芽的研究から社会的ニーズに呼応する実践的研究を展開することで、革新的な「知」の創出拠点をめざす。

そのため、研究成果を効果的に情報発信し、地域や企業ニーズの掘り起こしによる新たな研究展開をより進め、他の研究機関や企業・地域等と連携した研究を促進する。

(2)「融合」:分野横断的に創出される挑戦的研究の醸成

革新的な「知」の創出拠点から生み出される異分野の研究の融合により、挑戦的な研究領域を新たに構築し、研究者個々の研究力をより一層向上させる。また、理論と実践を融合した研究をより促進させる。これにより、他の研究機関や企業・地域等とのユニークな連携体制を作り出し、現代社会において生じる様々な課題解決や従来にないイノベーションの創出に資する。

そのため、本学研究者の研究状況を的確に把握し、異分野融合の強みのある研究プロジェクトを選定・創設し積極的に支援する。

(3)「国際」:世界をリードする先駆的研究の展開

多様な研究を通じ、異分野融合型の研究を推進する本学は、国際都市大阪において知的創造を生み出す重要な役割を担っている。インキュベーションとして萌出される新たな研究や行政のシンクタンク機能として活用できる実践的研究をより進めるため、「地域」「国際」の双方向のグローカルな視点で研究を展開し、その成果を世界に向けて発信し、世界をリードする先駆的研究を展開する。

そのため、大学院生や若手研究者の海外派遣、あるいは外国人留学生や海外研究者の大学院への受け入れを促進することで学術研究を活性化させる。

また、研究成果の国際的な発信・技術移転に関する支援体制の強化を進める。

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研究推進課 研究推進グループ

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