植物工場
Plant Factory
屋内にて、人工光と養分、そして温度と風を管理して植物を生産する。一昔前であればSFのような世界でしたが、大阪府立大学は元気で成長の速い苗を自動で選別する「優良苗選別自動化システム」の開発など、様々な研究分野を組み合わせながら1日あたり6000株の生産が可能な新世代植物工場を設置し、日夜研究に取り組んでいます。
この植物工場は、極地・宇宙空間など過酷な生存環境でも人類が生きていくための技術の一つ。南極の基地ではドイツを皮切りに、植物工場が運用され始めています。また国際宇宙ステーション内でも試験的に運用されるなど、これからの宇宙開発・宇宙滞在にとっても不可欠な技術です。植物工場の研究分野に関わることで、これからの宇宙開発にも携わることもできます。
他にも、都市圏の高架下などで植物工場を建設して農業に参画する企業もあったりと、植物工場は今まで農業をすることが難しかった場所でも食糧生産することを可能にする最先端の技術です。
学べる学類
大阪府立大学の植物工場に関する研究は、従来の農学(生命環境科学)分野だけでなく、機械工学、人間工学、リハビリテーション学など、様々な視点から進められています。
工学分野からは、植物が生育するのに最適な環境を作り維持するシステムや、その環境をシミュレーションする技術の開発を行っています。人間工学・リハビリテーション学分野からは、高齢者・障がい者の方々でも働きやすい作業環境を検討し、実際に作業して足腰にかかる負担を検証したりと、「働く人」を中心に作業環境について研究が進められています。
また、機械系学類 機械工学課程(工学域)と緑地環境科学類および応用生命科学類 植物バイオサイエンス課程(生命環境科学域)では、副専攻プログラム「植物工場科学副専攻」が開設されており、2年次より、大学内での農場実習や植物工場研究施設内での実習などを通して、植物工場に関する専門知識や基礎技術を学ぶことができます。