大阪府立大学

関西宇宙イニシアティブ 第53回KaSpIセミナー「地球温暖化とはどんな問題か、それに衛星観測はどうかかわるか」

開催日
2016年10月3日(月)18時~20時
開催場所
I-siteなんば
大阪府立大学I-siteなんば(南海なんば第1ビル2階)

I-siteなんばのアクセス

地球温暖化とは何か、人工衛星による地球観測は、温暖化や気候変動の理解にどのように役立つのか、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の増田耕一氏に、わかりやすく解説をしていただきます。ぜひご参加ください。

【講演】 「地球温暖化とはどんな問題か、それに衛星観測はどうかかわるか」
【講師】 増田 耕一(海洋研究開発機構 統合的気候変動予測研究分野 主任研究員)
【概要】
気 候の変化のうちで、人間活動による大気中の温室効果気体の増加を原因として起きているものを「地球温暖化」と呼んでいます。わたしは、気候の変化の物理的 なしくみを学んできた者として、ワート著『温暖化の発見とは何か』という科学史の本の訳者のひとりとして、また地球観測衛星データの利用者として、地球温 暖化をどうとらえているかをお伝えしたいと思います。 2001年ごろ以来、地球温暖化は「世界の気温が上がっている、その原因は何か」という形で提示されることが多くなりました。しかし、科学者が、今後数十 年にわたって化石燃料燃焼による二酸化炭素排出が続けば気温が上がるだろうという見通しをもったのは、世界平均気温が上がっていることが認識されるよりも 前の1970年代後半のことだったのです。 地球温暖化の認識の基本には、物理のエネルギー保存の法則とフィードバックシステム論とに基づいた「気候システム」の考えかたがあります。地球の大気・水 圏のエネルギー収支が、システム外からの強制と、 システム内のフィードバックによって変化するのです。大気中の二酸化炭素などの温室効果気体は、太陽が出す放射の変動、大気中のエーロゾルとならんで、気 候システムへの強制として働きます。その効果の大きさは、1960年代に鉛直1次元モデルで、1970年代に3次元モデルで評価が定まりました。二酸化炭 素が2倍の世界では、1倍の世界よりも、温度が1.5度から4.5度高くなるのです。この不確かさの幅は今も残っていますが、それはおもに温暖化に伴う雲 のふるまいに関する不確かさです。 地球温暖化に関する見通しを得るために、気象衛星を含む地球観測衛星にはいくつかの役割があります。大きく分けて、(1)気候の変化を検出できるように多 世代にわたって上位互換の観測を継続すること、(2)気候の変化のしくみを解明しモデルを改良するために温室効果気体・エーロゾル・雲などの詳しい時空間 分布の情報を得ること、の2つがあります。

【主催】 大阪府立大学21世紀科学研究機構宇宙科学技術研究センター 関西宇宙イニシアティブ(KaSpI)

大阪府立大学はNPO法人関西宇宙イニシアティブと連携協力協定を結んでいます。

関連情報
定員先着70名
受講料無料
お問い合わせ大阪府立大学 宇宙科学技術研究センター(担当 真鍋 武嗣)
関西宇宙イニシアティブ事務局(担当 大久保 博志)
Eメール kaspi[at]aero.osakafu-u.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。