公立大学法人大阪府立大学

平成30年 年頭の挨拶

更新日:2018年1月4日

理事長・学長 辻洋

新年あけましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?私は毎年近くの神社に初詣をするのですが、現代システム科学域の学域長予定者だった時に「志願者多数」と護摩木に書いたことを思い出しました。まわりの人は変な人だと思ったかもしれません。当時、新しい学域で教育組織の名称から「何を勉強するのかわかりにくい」と多くの方から指摘を受けていたために、「定員300名のところに志願者が3名だった」という夢を見てうなされていたからです。今年は、「志願者増大、資格試験全員合格、獲得外部資金増大」という三つの祈願をしました。

さて、いろいろな方に「府大は研究力があり世界的だ」「教育改革も進んでいる」「(公立大学協会の活動で)府大生が他大学生をリードしていて元気がいい」「地域貢献も極めて良好だ」という評価を頂いています。大変うれしいことです。一緒に大いに誇ろうではありませんか。

一方で、「いい活動をしているのに世間に知られていないのではないか」さらには「知らせるのが下手だ」「伝わっていないことを自覚できていない」「そういう努力を怠っているのではないか」という(府大愛からくる)厳しい指摘を受けています。経営会議や教育研究会議の外部委員だけでなく、在学生や卒業生、教職員からも指摘されています。
「そのようなことはない」と反論したり「交付金を減らされているので」と言い訳したりしたいのですが、いろいろな数値を冷静にみてみると、このような反論や言い訳をしている状況ではなくなっています。少しでも意識改革をして、全員で行動を起こし、この危機を脱却することが急務となっています。

全員で府大を広報できる情報を集め、それを共有し、その情報をより広くより遠くへ発信することで、この課題をクリアしましょう。そのために「府大・高専全員広報宣言」というシールを作成しました。名札にぜひつけてください。研究室あるいは職場の目立つところにぜひ貼ってください。私は名刺にもつけています。

私たちはアンテナを増やそうとしています。シールのデザインを見てください。Greater OPU Networkの多様な活動をウォッチできるアンテナ群であり、在学生・受験生の声や社会の声を集めるアンテナ群でありたいと思っています。私たちの魅力や優しさ、卓越さを融合してGreater OPU Network をさらに大きく強く逞しく拡げるために、皆で一緒に信頼を獲得するためのアンテナになりませんか。

昨年、一人の職員に、ある私立大学の広報へ研修に行っていただきました。そこでは「広報の人数が一万人」と言われていたそうです。つまり、全教職員が広報の一翼を担っているということです。やらされ感で活動をしているのではなく、自分たちの職場を発展させるために、楽しく明るく活動しているのだと思います。私たちもこのような活動をしませんか?

年頭挨拶会場の様子

さて、第二期中期計画では、運営費交付金が大幅に削減されたために皆様には多くのご苦労をおかけしました。昨年から始まった第三期中期計画では、知事から「運営費交付金は減らさない。現状維持で、説明がつけば増やすことも考える」と言われていますが、財務面以外にも多くの経営課題が顕在化した中で、新年を迎えています。

全員広報を進めるためにも、三点ほど確認しておきましょう。一つは、外部資金獲得金額が低落傾向にあるということです。その対策として、科研費応募にあたって、大型化を支援するSTEPUP事業という制度を設けたり、学内資源を有効活用するために高額研究機器を共有する制度を設けたりしています。共有を進めるにも広報が不可欠です。キープロジェクトとして府大のプレゼンスを高めることを期待したグループを認定し、大学として広報を含む支援をしています。このような個々の手だてだけでは場当たり的になりかねないので、昨年来、我々のとるべきアクションを導くために「研究戦略」をまとめてもらっています。3月には案としてまとめ、Webサイトで公開することにしており、近く、各部局の先生方のご意見もいただきますのでよろしくお願いします。

二つ目は、入学試験のことです。志願者はピーク時に比べると2,000人も減っています。なぜ本学がこのようになっているのでしょうか。学域制導入に伴い、受験産業からは「どのような勉強をどこでできるのかわかりにくくなった」という批判がありますが、「我々が受験生に十分広報できていない」という反省が不可欠です。在学生のアイデアを積極的に取り入れ、大学の認知度が上がるように冒頭にお願いした「全員広報」という姿勢で取り組んでいただきたいと思います。

三つ目は、国家試験などの一部の資格試験の合格率が振るわないということです。「教員数の削減が原因」という声もありますが、全国、どこの大学でも同じような厳しい環境にある中、本学だけがそれを理由にできるわけがありません。「資格試験の合否は、学生個人の責任だ」と放任できる状況では今はありません。「合格率が振るわないと志願者が減る」という負のスパイラルに落ち込みます。このようなことがないように、危機意識をもって、関係者でデータを共有して、間近に迫っている資格試験受験者へのアドバイス、応援をどうぞよろしくお願いします。そして、“合格率100%の府大”として広報させてください。

課題はいろいろありますが、明るい話もたくさんあります。府大には素晴らしい人材育成プログラムがあります。このことは、日経のランキングでも示されています。特に、科学技術人材育成プログラムの企画・推進を通して、「皆で協力して運営する」という体質ができています。女性研究者も着実に増加しています。私はこれらのことを誇りに思っています。職員の育成に関しても新たに始めた海外研修だけでなく、日本学術振興会(JSPS)や文部科学省などでの出向研修を計画的に進めていきます。教員と職員が一緒になって働く「教職協働」を通じた教職員相互の啓発・協調こそが、法人の組織力を強くすると信じています。

懸案だった服務管理についても、研修プログラムを整備し、管理職の皆さんの理解が深まったこともあり、改善の方向が見えてきました。大阪市立大学との統合については、新法人設立準備室がしっかりと業務を進めてくれています。やることは多いですが、一歩ずつ前進していきましょう。大学と高専の連携強化は、個人レベルでの理解から、組織レベルでの議論ができるようになってきました。法人にとっては、大学同様「高専は大切なパーツである」ことを全教職員が広報して理解しましょう。高専の方にも法人の組織としてどうあるべきかをよく考え、意見を発信してほしいと思います。

最後に、本年が皆さまにとって良い年になることを祈念して、私の新年の挨拶とさせていただきます。

理事長・学長 辻󠄀 洋