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食品安全科学研究センター

設置目的

今世紀に入り食の安全・安心を危惧する事例が多数発生し、ヒトの健康に「食の安全」が直接かかわることから国民の大きな関心となっている。ここ大阪においては、わが国における大規模食中毒事件といえる事例が複数発生し、大阪が長年培い歴史的も「天下の台所」として誇れる「食文化」にも影響を及ぼす事態になっている。さらに、動物に由来する感染症としてのBSE問題、産地や製造年月日の偽装、残留農薬、有害化学物質含有の問題など消費者の「食」への不安・不信が払拭されない状況にある。このような背景から大阪府においては「食の安全安心推進協議会」が設置され、昨年、「食の安全安心推進条例」も制定・施行されている。
全国的に見ても都市部における巨大な消費者を持った大阪は、「消費者の立場に立った食に関する安心・安全の発信拠点」としての役割が求められており、とりわけ大阪府立大学の保有する生命環境関連をコアとする食関連の知的ポテンシャルを活性化させ、大阪のみならず全国的な食の安全の分野における社会貢献が求められている。現在、食品の安全管理に関しては、生産者・食品産業・検査および関連行政など個々の部門において事後処理型で縦割り型の対策・体制の確立が求められているが、一方それを補い先進的・総合的な面から社会課題の解決を支えるべき教育・研究機関として大学等の高等教育機関の役割が期待されているが、現状での「食の安全」を確立するための組織は少なく不十分ではある。
そのため本提案は、本学に21世紀、環境と共に人間の生存の基本でもある「食」を担う食品の安全性・健全性の確保および機能性開発を目的とした「食品安全科学研究センター」を設置する。ここでは化学、微生物学を基軸に研究展開を行い、食品の生産から加工、流通、販売、消費までの過程における種々のリスクに対する科学的根拠に基づく「安全」を探究し、消費者に「安心」を提供することが可能な「食品安全管理の指針(ガイドライン)」を示す。あわせて、食品産業界が求めている実務に対応できる優れた思考力・判断力を有する「食品安全・品質管理のエキスパート(仮称:フードセーフティ主任)」の教育・養成機関としての役割を担い、将来的には関連学会等と連携して、その認定する資格制度の構築をめざす。さらに、食品安全科学研究センターは、学内・学外を含め食の安全性確保のため、今後の展開が必要と思われる「経済的リスク管理」「食品廃棄物・再利用」などの分野をも視野に入れたオープンな知的「フードセーフティネットワーク」を構築する。

研究内容の概要

食品安全科学研究センターでは、食品科学の視点から食中毒の成立要因、各種成分の化学的特性の解明、分析手法の向上など、食品の安全性確保および機能性開発とその評価の基礎となる研究を行うことを目的とし、当初は下記の2つの研究グループを設置する。
食品微生物研究グループでは、食中毒原因物質の検査方法の開発・向上を行いつつ、それら原因物質の汚染原因の究明方法を立案・提言する。安全管理面で産業界において要求度が高い汚染指標菌の迅速検査法の開発・向上を行い、食品加工プロセスにおける汚染原因(汚染工程)の解明を行う。
食品化学研究グループでは、食品残留有害化学物質の検査方法の開発・向上、食品栄養成分と疾病の相関に基づく検査方法の開発・向上を展開する。また、食品の機能性を生体に対する影響に基づく評価を行う。
各グループの相互連携の基に、安全性・健全性の確保された新規機能性食品の開発に貢献する。さらに、各グループの研究成果を基礎として食品安全・品質管理のエキスパートを養成するプログラムを開発・検討し、実社会が求める実務に対応できる人材育成方法についても検討を加える。

構成員

センター長

三宅 眞実 (生命環境科学研究科 教授)

研究員
 
区分 教授 准教授
生命環境科学研究科 山崎 伸二
笠井 尚哉
勢戸 祥介
理学系研究科 居原 秀
人間社会システム科学研究科 星 英之
総合リハビリテーション学研究科 乾 博
客員研究員
機関 役職 氏名
帝塚山学院大学 教授 宮武 和孝
近畿大学 非常勤講師 日佐 和夫
大阪府立大学 客員研究員 小崎 俊司

設立年月日

平成20年(2008年)4月1日