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資源循環工学研究所

設置目的

近年、地球環境問題に加え、最終処分場の枯渇が深刻化するに伴い廃棄物の処理問題がクローズアップされている。我が国では、約4億7千万トンの廃棄物が発生しており、その70数%が有機性の廃棄物である。しかしながら、この大量の有機性廃棄物処理については、焼却処理を適用したシステムが広く成立しており、再生・資源化技術が整っているといえないのが現状である。排出される廃棄物には様々なものがあるが、それらを単に廃棄物として捉えるのではなく、資源として捉え、それらを有効利用することによって循環型社会を構築することは極めて重要である。国においては、21世紀の日本を「循環型社会」に変えていくため、従来の環境基本法(平成5年制定)の基本理念にのっとり、平成12年に「循環型社会形成推進基本法」を制定した。

こうした状況の中で、大阪府立大学においては、平成14年に「水を反応場に用いる有機資源循環科学・工学」の拠点プログラム名称で文部科学省21世紀 COEプログラムに採択された。本COEプログラムでは、採択と同時に10研究班を組織し、基礎、応用、実用化まで幅広い研究を実施、その成果を世界に発信してきた。

本学の21世紀COEプログラムが5年の研究期間を平成19年3月で満了するにあたり、その成果を基盤にし、有機性資源だけに限らず全ての資源を対象とする「資源循環科学・工学の大阪府立大学」として、持続性のある発展を図るための核としての研究・教育拠点を形成し、その成果を地域の活性化のみならず世界に発信する。

研究内容の概要

21世紀COEプログラムにおける“水を反応場とする”は最大の特徴であり、本研究所の研究においても、これを堅持する。
研究は、(1)COEプログラムで打ち立てた新学問分野Waste Refineryの継続発展と(2)ファインケミカル分野への新規発展展開に大別する。

1.Waste Refineryの継続発展

Waste Refineryの継続発展においては、亜臨界水・超音波・過熱水蒸気などによる有機性廃棄物の低分子化→高効率資源・エネルギー化の研究をより深く基礎研究を行い、またその成果を実用化につなげる。基礎研究の内容は、亜臨界水、超音波における反応メカニズム・反応動力学など、分離のメカニズム・新規分離法の開発、亜臨界水のプラント装置内における流動、混合拡散、伝熱などの研究を実施する。さらに、亜臨界水、超音波の複合効果やこれらの力以外の力の可能性について検討する。応用・実用化研究においては、以上の基礎研究の成果を基に、装置化、プラント化を進めるとともに装置材料の設計製造も実施する。

2.ファインケミカル分野への新規発展展開

ファインケミカル分野への新規発展展開においては、原料を有機性廃棄物に限定せず、ファインケミカルを目指して亜臨界水・超音波・過熱水蒸気などの適用の可能性を明らかにしていく。既に、亜臨界水を用いて、水溶性蛋白質から生分解性プラスチックを製造できる可能性を明らかにしている。また、食品産業との共同研究において、亜臨界水を用いて付加価値の高い医薬品や健康食品製造の可能性も既にいくつか見出しており、この分野の発展が大いに期待できると確信している。

3.最近の主な研究・情報発信活動

構成員

所長

小西 康裕 (工学研究科 教授)

研究員
区分 教授 准教授 講師 助教
工学研究科 岩田 政司
綿野 哲
荻野 博康
武藤 明徳
古田 雅一
安田 昌弘
野村 俊之
齊藤 丈靖
岩﨑 智宏
仲村 英也
岡村 晴之
岡本 尚樹 山田 亮祐
理学系研究科 原 正之 徳本 勇人
人間社会システム科学研究科 興津 健二

設立年月日

平成18年(2006年)12月1日