経済データサイエンス課程 教育目的、教育目標、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー
教育目的
本課程では、グローバリゼーションや少子高齢化の進展、各種の技術革新といった現代社会の様々な問題や環境変化に対応するため、経済理論とデータ分析から導き出された科学的根拠に基づき、金融・ビジネスならびに公共部門で企業戦略、経済政策、社会政策の立案とその適切な評価ができる人材を育成する。これにより、経済・経営の専門知識とデータ分析能力を活用した、持続可能な経済社会を創造することを目標とする。
教育目標
- 社会経済状況の理解力・問題認識力の養成:
社会制度、経済制度、財政制度、経済学説・思想、ならびに社会の様々な問題について、これらの変遷と現況、そして将来展望を学ぶ。これにより、経済社会の成り立ちと構造を理解する力、さらにそれらに基づき、家計や企業、社会が直面している問題を把握する力を養う。 - 論理的思考力・分析力(経済理論による定性的な分析能力)の養成:
現代社会においては、国際機関、国、地方政府、企業、家計、個人などの各経済主体が、それぞれが直面する制約の下で自らの目標を達成しようと行動しており、かつ、これら主体の意思決定は市場の内部と外部で相互に影響を与え合っている。そこで、こうした社会経済のメカニズムを俯瞰し、インセンティブの観点から論理的に思考・分析する力を養う。 - 問題解決能力(データによる定量的な分析能力)の養成:
上記1、2を通じて修得した各能力に立脚し、様々な統計データに基づいて、社会経済の構造と物事の因果関係を定量的に分析し、説明するスキルを学ぶ。これにより、データ分析から得られた科学的根拠に基づき、経済社会と個別経済主体の将来の姿を予測し、効果的な企業戦略や政策の提言を行う力を養う。
ディプロマ・ポリシー(学修評価・学位の授与方針)
経済データサイエンス課程において所定の期間在学して定める単位を取得し、以下の能力を身につけた学生に学位を授与する。
知識・技能
- (多面的視点)自然科学、社会科学、人間科学に関する幅広い知識・技能を基礎としながら、経済学、経営学、会計学、法学、経済データサイエンス、生産システム科学の知識・技能を、経済系科目に重点を置きながら、体系的に修得し、事象を多面的に捉えることができる。
- (データ活用力)データの特徴をふまえた適切な分析手法の選択、およびその手法に基づく正しい判断を行うことができる。また、その判断を伴う自らの考えを説明することができる。
- (コミュニケーション能力)経済データサイエンス課程で学ぶ知識・技能を基礎としながら、複数の言語を活用して、多様な人々とコミュニケーションすることができる。
思考力・判断力・表現力
- (システム的思考力)複雑な現象を多様な要素の相互作用の中で捉えることによって、その現象をシステムとして理解し、その本質を思考することができる。
- (領域横断的応用力)経済学、経営学、会計学、法学、経済データサイエンス、生産システム科学における知識・技能を領域横断的に用いて、複雑な問題群を概念化して、その共通性を抽出して分析し、解決策を提案することができる。
- (表現力)自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる。
サステイナビリティ志向性
- (社会的責任) 経済活動や技術が⼈間社会ならびに環境に及ぼす影響の⼤きさを理解し、自ら獲得した学問的知見に基づき、つねに既存の社会の倫理を見直していこうとする責任を自覚することができる。
- (サステイナブル志向)サステイナブルな社会の実現を目指し、他者と協働して課題解決に粘り強く取り組むことができる。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)
経済データサイエンス課程は、学位授与に必要とされる能力(ディプロマポリシー)を養うために、以下の方針で教育課程を編成する。
知識・技能
- 幅広い知識・技能を持ち、事象を多面的に捉えることができる能力を養うために、1年次を中心に初年次ゼミナール、人文・社会系教養科目、自然科学・複合領域系教養科目、専門基礎科目等を配置する。
- マネジメント学類において必要となる経済学、経営学、会計学、法学、経済データサイエンス、生産システム科学の専門知識を修得させるため、1年次および 2年次に、それらの学類専門科目のうち、基礎的な科目(一部の科目を除き学類基盤科目)を配置する。3年次および 4年次に、それらに関する専門科目(一部の科目を除き学類発展科目)を配置する。特に、経済データサイエンス課程では、経済学、経済データサイエンスの専門知識を主として修得させるために、学類発展科目(経済系科目)に重点を置く。
- 客観的なデータを用いて正確に分析・判断できる能力を養うために、専門基礎科目の中の理系基礎科目に「統計学基礎I,II」、学類基盤科目に「経済データサイエンス入門」、「計量経済学I」、「経済データサイエンス演習I,II」、学類発展科目に「計量経済学II」、「経済データマイニング」等のデータサイエンス系科目を配置する。
- 複数の言語を用いて多様な人々とコミュニケーションできる能力を養うために、外国語科目(英語)および外国語科目(初修外国語)、学類専門科目の中の学類基盤科目に「基礎ゼミナールI,II」「外書ゼミナール」等のコミュニケーション系科目を配置する。
思考力・判断力・表現力
- 現象を多様な要素の影響の関係性として捉えることによって、問題の本質を理解 することができる力(システム的思考力)を養うために、システム系科目として学類基盤 科目に「ミクロ経済学I,II」、「マクロ経済学I,II」、「生産システム科学」、学類発展科 目に「産業組織I,II」「管理会計I,II」、「会社法I,II」等を配置する。
- 複数の領域の知識を横断的に用いて、問題を概念化して共通性を抽出し、分析・解決することができる力(領域横断的応用力)を養うために、学類基盤科目に「経済政策入門」、学類発展科目に「国際貿易I,II」、「社会保障政策」、「医療経済学」、「経営情報システムI,II」等および他学類専門科目を配置する。
- 自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる力を養うために、学類基盤科目にプレゼンテーションを課す科目「マネジメント学類演習I」等を配置する。
サステイナビリティ志向性
- 持続可能性に関する基本的知識を身に付け、経済活動や技術が人間社会ならびに環境に及ぼす影響の大きさを理解し、倫理観と責任感を持って技術マネジメントの方向性を判断して、行動できる能力を養うため、1年次に学域共通科目に「サステイナビリティ入門」、「社会システムとサステイナビリティ」、学類基盤科目に「倫理学」、学類発展科目に「環境経済学A, B」等を配置する。
- 自ら課題を発見して取り組む継続的学習能力、他者と協働して課題解決に取り組むことができる能力を養うために、学類基盤科目に必修科目として「マネジメント学類演習II」を配置する。
なお本課程の学修成果の評価方針は現代システム科学域カリキュラムポリシー記載のものと同一とする。